sacai


概要

サカイ(sacai)は、デザイナーの阿部千登勢が1999年に東京でスタートしたコレクションブランド。コンセプトは「日常の上に成り立つデザイン」。2009年からパリコレクションに参加し、現在では日本を代表するブランドの一つとなっている。

東京ブランドならではのリアルクローズ感と、ワールドワイドに通用する徹底した世界観を併せ持つ、稀有(けう)なブランドとして認知されている。

歴史

サカイ(sacai)は、デザイナーの阿部千登勢本人の「自分のワードローブに加えたい服」をベースに、1999年にスタート。コムデギャルソンにてニット・カットソー担当として働いた経験を持つ阿部が主婦業の傍ら企画した7型の手作りのニットから始まった。

ニットを軸にしながらスタンダードアイテムを解体し再構築する阿部千登勢のデザインは、サカイ流ミックススタイルとして世界で注目を集め、スタンダードなアイテムを、バランスやディテールを変化させながら独自の世界観を表現し、レースやチュール、フリル、テープなどを使用し素材をミックスさせるデザインが特徴。

内外価格差のコントロールなど海外を含めた巧みな販売戦略をとり、世界を相手にクリエイティブなビジネスモデルを作り上げている。

2009年10月からパリコレクションに参加。2011年9月にフラッグシップストアを東京・南青山にオープンした。2016年の春夏コレクションで、サカイ初となるバッグコレクションを発表した。

アウトドアブランド「ザ・ノース・フェイス(THE NORTH FACE)」や「ナイキ(NIKE)」、パリのセレクトショップ「コレット」など、様々なコラボレーション企画を行っている。

ブランドの中には、コレクションラインのサカイと、リラックスウエアの「サカイ・ラック(sacai luck)」がある。サカイの2016年からのプレスプリングコレクションの発表以降、サカイラックは休止している。

2003年に行ったインタビューにおいて阿部は、「世の中に伝えたいメッセージなんてありません。学生運動とかウーマンリブがあった時代は、世の中に対する反骨精神が普通に存在したと思う。けど、私にとってそういうのってリアルじゃない。服はそんなおおげさなものではないんです。単純に世の中にないものを着たいだけ。だからテーマもありません。子供に服を編んであげるような感覚。日常に普通にあるものなんです」とブランドについて語っている。

(2019年3月現在)

sacaiのブランド情報

カテゴリーデザイナー・コレクション
日本
URLhttp://www.sacai.jp/
デザイナー阿部千登勢(Chitose Abe)

sacaiに関連する記事

東京ブランド26年春夏 クラフトワークや意匠素材生かしたアクティブなスタイル

2025/11/19

 東京ブランドは26年春夏向けで、クラフトワークや装飾性の高い素材を生かしてアクティブな雰囲気を出したスタイルが広がった。ストリートのニュアンスやメンズの要素も取り入れたバランスが新鮮だ。(須田渉美)【関連記事】東...



26年春夏トレンド解説 ⑤ガールズパワー リズミカルなミニスタイル

2025/11/17

 26年春夏デザイナーコレクションは引き続き、エネルギッシュなガーリースタイルも多かった。若々しくフレッシュなミニスカートやミニドレス。リズミカルに布が揺れるフリルやラッフル、ギャザーで、活発な雰囲気を演出する。今...



26年春夏トレンド解説 ②マスキュリン&フェミニン 柔らかくもシャープなスタイル

2025/11/11

 26年春夏デザイナーコレクションは引き続き、マスキュリン&フェミニンを提案するブランドが多かった。継続トレンドではあるものの、今シーズンは表現方法の幅が広がっている。テーラードジャケットにストレートスカート、パン...



26年春夏トレンド解説 ①デイリークチュール 現代のリアルなドレスが完成

2025/11/07

 26年春夏デザイナーコレクションは、日常のエッセンスを取り入れたドレッシーなスタイルが広がった。イブニングドレスに見られる立体的なフォルム、クラフトテクニックを駆使した装飾。そういった華やかな要素を、カジュアル素...



26年春夏デザイナーコレクション 有力ショップ&百貨店バイヤーはここに注目!

2025/10/31

 現代の「女性らしさ」に注目する。日常着をベースにヘルシーなムードを描くことがポイントだ。レースを部分使いしたアイテムだったり、ランジェリーとカジュアルウェアを組み合わせたり。軽やかな着こなしが今っぽい。消費行動や...



26年春夏パリ・ファッションウィーク 古着のディテール、自由な着回し

2025/10/09

 【パリ=小笠原拓郎】26年春夏パリ・ファッションウィークは、新デザイナーによるリブランディングが毎日のように発表され、必見のコレクションが相次いだ。一方で、実力派デザイナーのブランドの新作発表も見逃せない。そんな...



日本の有力店が選ぶ最もクリエイティブなデザイナーランキング ジョナサン・アンダーソンに追い風

2025/08/28

 日本の有力セレクトショップや百貨店のバイヤー、ディレクターが選ぶ「今の時代を引っ張る最もクリエイティブなデザイナーランキング」のインターナショナル(海外)部門は、ジョナサン・アンダーソンがレディス、メンズともに1...



《繊維トップに聞く》サカイオーベックス社長 塚本博巳氏 開発・生産、営業体制を強化

2025/08/26

【関連記事】サカイオーベックス、社長に塚本博巳氏厳しさも一部回復 ――前期(25年3月期)の結果と今期の状況は。 前期は若干の減収減益、売上高は253億円強で5.7%減、営業利益は27億円強で3%減でした。柱の染色...



26年春夏メンズトレンド解説 ⑥アイテム編:インナー、ボトム より短くなったショートパンツ

2025/08/08

 26年春夏メンズのトレンドとして、ますます暑くなる春夏シーズンを反映した快適な着心地のアイテムが広がった。ハーフパンツやショートパンツをキーアイテムにしたスタイルが一大トレンドとなりそうだ。(小笠原拓郎、写真=エ...



26年春夏メンズトレンド解説 ⑤アイテム編:アウター パンツにインして着るジャケットが急浮上

2025/08/07

 26年春夏メンズは、エレガンスを時代に合わせて変化させるスタイルがベースにある。親密なムードやスポーツミックス、リゾートのリラックスイメージなどを取り入れて、伝統的なエレガンスに縛られないスタイルを見せている。そ...



《視点》『プラダを着た悪魔2』

2025/08/05

 映画『プラダを着た悪魔』の続編の撮影が始まった。ファッションを題材にした映画で、これほどカムバックが期待されていた映画は他にないのではないだろうか。かくいう私も、最近の楽しみはSNSで流れてくる撮影現場のキャスト...



26年春夏メンズトレンド解説 ①インティメートムード どこか隙のある親密なスタイル

2025/08/01

 26年春夏メンズのトレンドスタイルとして「インティメートムード」が注目を集めている。どこかリラックスしていたり、抜け感があったりというスタイルだ。(小笠原拓郎、写真=ダブレットは大原広和) 「親密さ」を意味するイ...