東京ブランドは26年春夏向けで、クラフトワークや装飾性の高い素材を生かしてアクティブな雰囲気を出したスタイルが広がった。ストリートのニュアンスやメンズの要素も取り入れたバランスが新鮮だ。
(須田渉美)
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「コート」(福屋千春)は、透け感や繊細な質感のテキスタイルを生かし、素の美しさを感じさせる日常着を揃えた。目を引くのは、ボディーを柔らかなテクスチャーで覆うコンパクトスリーブのトップとミニスカート。シフォンをプリーツ加工で凝縮し、パーツごとに縫い留めながら構築的に見せた。ミニマルなシルエットとともに優しい表情が漂う。ミニスカートには、滑らかなメッシュのクルーネックTシャツを合わせ、ストリートの抜け感を添える。メッシュのノースリーブトップにリバーレースを切り替えたロングドレスもある。リバーレースを肩に掛けるとバルーンシルエットのマントになる。

「ドメル」(田口直見)は、大地の力強さを洗練されたシルエットやコントラストで見せた。ジレとスカートのセットアップを彩るのは仏「マリアケント」のテキスタイル。ナチュラル感のある糸をベースに、オレンジやネイビーを差し込んだツイードは岩肌のよう。スカートはミニ丈で切り替え、同系色のフリンジが軽やかに揺れる。ヒップをさりげなく強調したシルエットにプリミティブなムードが備わった。タンクトップと透かし編みのフリンジ付きキャミソールを重ね着すると、都会的でラフな印象に。白いTシャツなどデイリーアイテムとの相性も良く、シンプルになりがちな夏のスタイリングに活躍しそうだ。
