ファッションとサステイナビリティー



サステイナビリティーに関連する情報発信を強化します。

 繊維・ファッション産業を未来へとつなげるため、自然や人、社会とのかかわり方を見直す動きが広がっています。繊研新聞では、地球や社会、人権に配慮した企業活動や技術革新、商品開発などの情報発信をさらに強化するため、「ファッションとサステイナビリティー」のページを新設しました。



■サステイナブル情報

フォーシスアンドカンパニー「アメリス」 ウェディングから多様性を発信

フォーシスアンドカンパニー「アメリス」 ウェディングから多様性を発信

 ウェディング関連、コンサルティング事業のフォーシスアンドカンパニーの「アメリス」は性別・国籍・体形・年齢を問わず、すべてのカップルが自由にプランニングできるウェディングブランドだ。23年9月からサービスを始め、2月18日にはコンラッド大阪との協業で、ファッションショーとトークショーのイベントを大阪で開いた。このイベントは、アメリスとコンラッド大阪それぞれの思いから実現した。

ジュンが掲げる「ゴー・クリーン・ゴー・フューチャー」 「今できることから」全活動で推進

ジュンが掲げる「ゴー・クリーン・ゴー・フューチャー」 「今できることから」全活動で推進

 ジュンはSDGs(持続可能な開発目標)やサステイナブル(持続可能)に、多種多様な取り組みを継続し続けている。佐々木進社長は「企業としてSDGsは、当たり前のように重要」という。21年11月にはSDGs推進活動におけるステートメント「ゴー・クリーン・ゴー・フューチャー」を掲げ、今できることから取り組み、社内啓蒙(けいもう)や施策がより加速している。

不要衣類の回収続ける大手紳士服専門店 2社で年間平均600トンを回収

不要衣類の回収続ける大手紳士服専門店 2社で年間平均600トンを回収

 大手紳士服専門店ではSDGs(持続可能な開発目標)という言葉が定着するかなり前から店頭での不要衣類の回収サービスを続けてきた。ただ、当時は下取りによる割引クーポンの配布など来店動機を作り出す販促施策の側面が強かった。それでも25年以上にわたり、環境負荷を軽減する循環型の取り組みを継続してきた。ここ数年のサステイナブル(持続可能)な意識の高まりを背景に、各社、今秋から回収した衣料をリサイクルしたウール商品の開発にも力を入れている。

人権課題に取り組む三起商行 方針策定や国内外工場に実態調査

人権課題に取り組む三起商行 方針策定や国内外工場に実態調査

 三起商行は、早くから人権課題に取り組んでいる。16年にNGO(非政府組織)から指摘を受けたことを起点に、人権方針の策定や国内外の工場への実態調査、定期的なヒアリングなどを実施。4月には経営企画本部にESG推進部を新設し、グループ全体に領域を広げる。

11月に開業する麻布台ヒルズ 使用電力全てを再生可能エネルギーに

11月に開業する麻布台ヒルズ 使用電力全てを再生可能エネルギーに

 環境負荷低減などサステイナビリティー(持続可能性)を重視した商業施設の開発が相次いでいる。森ビルが東京・港区に11月24日に開業する大型複合施設「麻布台ヒルズ」はその一つ。「グリーン&ウェルネス」を施設全体のコンセプトとし、緑の充実や使用電力全てを再生可能エネルギーにするなど環境に配慮した施設だ。商業ゾーンのテナントもファッションを含め、全体のコンセプトに沿った店舗を導入する。

スポーツシューズ業界がCFP削減を強化 ノウハウを公開し、協働募る

スポーツシューズ業界がCFP削減を強化 ノウハウを公開し、協働募る

 スポーツシューズ業界で、温室効果ガスの排出削減を目指す取り組みが加速している。特に原材料の選定・調達や製造段階での見直しに注力している。製品のライフサイクル全体でどれだけの温室効果ガスを排出しているかを測定するとともに、各社が持つ知見を公開・共有し、温室効果ガス削減に向けて協働を呼びかける動きも活発化する。

“児童労働”問題の現在地は? 認定NPOのACEに聞く

“児童労働”問題の現在地は? 認定NPOのACEに聞く

 SDGs(持続可能な開発目標)の8番目「働きがいも経済成長も」のターゲット7には、児童労働、強制労働の撤廃が掲げられ、「25年までにあらゆる形態の児童労働を終わらせる」ことを目指している。コットン(綿花)の生産大国の一つ、インドではコットンの生産において児童労働が行われている。アパレル業界としては見過ごせない深刻な社会課題だ。児童労働問題に取り組む認定NPO法人(特定非営利活動法人)のACE(エース)に活動の到達点と課題を聞いた。

WWFジャパン、JSCI共催セミナー「繊維産業に求められるサステナビリティとは」開催

WWFジャパン、JSCI共催セミナー「繊維産業に求められるサステナビリティとは」開催

 WWF(世界自然保護基金)ジャパンとJSCI(日本サステナブル・コットン・イニシアチブ)は、共催セミナー「繊維産業に求められるサステナビリティとは~水リスクとコットンについて考える~」を5月10日の「コットンの日」に開催した。

アバンティ「プリスティン」〝土に生まれ、土に返る〟循環型を目指す

アバンティ「プリスティン」〝土に生まれ、土に返る〟循環型を目指す

 アバンティはオーガニックコットンブランド「プリスティン」でエコでサステイナブル(持続可能)なブランド運営を進化させ続けている。土から育て、作り、再生し、土に返す循環型の仕組みづくりを進めている。

大阪文化服装学院が美術館で展覧会 FB業界の持続可能性、取り組みの進化を伝える

大阪文化服装学院が美術館で展覧会 FB業界の持続可能性、取り組みの進化を伝える

 大阪文化服装学院は3月14~19日、大阪中之島美術館で、初となる展覧会を開催した。美術館で展覧会形式の発信をした理由は「より多くの人にファッションビジネス(FB)業界におけるサステイナビリティー(持続可能性)の考え方を伝えたい」と考えたから。コロナ禍に突入してからの3年間、ファッション教育に欠かせないクリエイションを磨くことと、持続可能性のどちらも不可欠という視点で実現してきた作品を幅広くアピールした。

帽子デザイナーの清原世太氏 琉球パナマ帽で地場産業の復活を目指す

帽子デザイナーの清原世太氏 琉球パナマ帽で地場産業の復活を目指す

 100年以上前に沖縄の地場産業の一つだった〝琉球パナマ帽〟の復活に地道に取り組んでいる帽子デザイナー、ピリオド(東京)代表の清原世太氏。「歴史に埋もれていた地場産業を復活させることで、雇用創出・拡大にもつながる。さらに、防風樹としての役割も果たすアダンを植樹し、栽培を続ければ、自然豊かで災害にも強くなり、観光産業にも相乗効果をもたらす」と考える。今後の持続可能な成長に向け、課題である現地の作り手の育成にも力を注ぐ。

ゾゾが四つの重点施策を推進 次第に現場から、できるところから

ゾゾが四つの重点施策を推進 次第に現場から、できるところから

 ゾゾは、21年4月に「サステナビリティーステートメント」を発表。その後、専門組織を軸に活動を具体化してきた。小売りであり、ECサイトであるという立場でできることは何か。模索しながら、ゾゾならではの仕組み作りや、地元・千葉への貢献などに取り組む。現場からの発案も増え、全社での意識も高まっている。

SDGs軸の産学連携が活発

SDGs軸の産学連携が活発

 教育の現場でも主要テーマになったSDGs(持続可能な開発目標)。多くの教育機関がその達成に向け、環境や社会課題について考え、行動できる人材の育成に力を入れている。座学はもちろん、昨今は企業の協力を得て、実践の機会を作る産学連携が活発だ。例えば、廃棄衣料をはじめとする繊維・ファッション業界を取り巻く問題は身近な教育材料。こうした問題に取り組む業界企業に連携を持ちかけるケースは少なくない。縫製工場で発生する余り生地を紙にアップサイクルする「アスカミ」で廃棄衣料問題に向き合うモリトグループのマテックス(神戸市)もその一つ。同社と連携する関西大学、近畿大学の活動事例に焦点を当てた。

ジュエリー素材、再生して環境への負荷を軽減

ジュエリー素材、再生して環境への負荷を軽減

 ジュエリーでもサステイナブル(持続可能)な取り組みが少しずつ広がっている。環境や労働条件、公正な取引などに配慮した取り組みが増えてきた。素材選びでは、環境への負荷を軽減するため、一度製品などになった貴金属や宝石を再生して使う動きがある。昨年発足した一般社団法人リファインメタル協会の活動もその一つだ。

アーバンリサーチ 廃棄衣料再生や産学連携促進 社内外で理解と共感拡大

アーバンリサーチ 廃棄衣料再生や産学連携促進 社内外で理解と共感拡大

 環境社会課題の改善に向けて多方面に活動するアーバンリサーチ。21年度は廃棄衣料リサイクル「コンポスト」や産学連携プロジェクトを中心に取り組みを広げた。「すごいをシェアする」との企業理念にもとづき、現場社員の声を拾い上げ、企業一丸となり活動を推進している。

ワールドの「サスティナビリティプラン」 衣料品廃棄をゼロ化、他社商品の「循環」も進める

ワールドの「サスティナビリティプラン」 衣料品廃棄をゼロ化、他社商品の「循環」も進める

 ワールドはこのほど、持続可能な社会の実現を目指す「ワールド・サスティナビリティプラン」を公表した。温室効果ガスの削減では、30年までに自社負荷で17年度比50%の削減を、〝見える化〟を進めている間接負荷については、商品1点当たり換算で21年度比20%削減する目標を掲げた。また、ファッション業界の課題となっている過剰在庫については、直近の目標として、25年までに「残在庫廃棄のゼロ化」に取り組む。

ファッション・フロンティア・プログラム1期の受賞者に聞く

ファッション・フロンティア・プログラム1期の受賞者に聞く

 ファッションデザイナーの中里唯馬さんが発起人となり、ユニステップスが運営するファッションデザインのアワード「ファッション・フロンティア・プログラム」(FFP)が21年に立ち上がった。ソーシャルレスポンシビリティー(社会的責任)とクリエイティビティー(創造性)を併せ持つ衣服をデザインすることがFFPの最大の特徴。素材メーカーや専門機関、様々なジャンルの専門家からアドバイスやサポートを受け、作品を仕上げた。受賞者の本田琉碧さん、井口貴仁さん、和田由里子さんの3人にFFPで得た学びや今後の夢を聞いた。

【PR】 ザ・ライクラ・カンパニー 100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」が有力ブランドに選ばれる理由(後編:ビームス、アーバンリサーチ)

【PR】 ザ・ライクラ・カンパニー 100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」が有力ブランドに選ばれる理由(後編:ビームス、アーバンリサーチ)

 吸汗速乾パフォーマンス素材「クールマックス®エコメイド」がクールでドライな快適さで支持を集めています。ザ・ライクラ・カンパニー(米国デラウェア州)が開発したクールマックス®エコメイドは100%使用済みペットボトル資源から作られた注目のエコ素材です。地球環境に優しく、サステイナブルな素材は日本の有力セレクトショップでも採用の幅を広げ、定番アイテムに欠かせない素材となっています。

【PR】 イーストマンケミカルジャパン サステイナビリティーでファッション市場をけん引する 「Naia™ Renew」が国内有力生地ミルに選ばれる理由

【PR】 イーストマンケミカルジャパン サステイナビリティーでファッション市場をけん引する 「Naia™ Renew」が国内有力生地ミルに選ばれる理由

 サステイナビリティー(持続可能性)は今や、ファッションビジネスに欠かせないキーワードとなった。多様な選択肢がある中で、今グローバルに注目されているのが、米イーストマンケミカルが手掛けるジアセテート繊維「Naia™」だ。レディス市場強化に乗り出してまだ3年だが、グローバルSPA(製造小売業)からラグジュアリーブランドまで浸透し、日本でも急速に販売を伸ばしている。なぜ今Naia™が選ばれているのか。イーストマンケミカルとのルース・ファレル テキスタイル事業部ゼネラルマネージャーと、日本市場でNaia™立ち上げ当初から販促を仕掛ける旭化成アドバンスの坂元盛也理事繊維本部ファッション衣料事業部事業部長、梶井博行繊維本部ファッション衣料事業部第2営業部ファイバー2課課長の三者に、その魅力と今後の取り組みについて語ってもらった。

【PR】ザ・ライクラ・カンパニー 100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」が有力ブランドに選ばれる理由 (前編:ナナミカ、ラコステ)

【PR】ザ・ライクラ・カンパニー 100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」が有力ブランドに選ばれる理由 (前編:ナナミカ、ラコステ)

 クールマックス®ブランドは、クールでドライな快適さで有名です。ザ・ライクラ・カンパニー(米国デラウェア州)が開発した100%使用済みPETボトルリソース(GRS認証)から作られたクールマックス®エコメイド ファイバーは、「環境にやさしく、機能的で普段着に適している」「天然素材と混ぜてもバランスが取れている」「環境に配慮した機能的でクールな商品を企画できる」などの理由から、パフォーマンスや日常のコレクションのエコ素材として採用が増え、発売以来サステナビリティ(持続可能性)を意識した消費者からの支持が高まっています。

新たなマーケティングで次世代ビジネスモデルを構築 隠れた売れ筋を個人の購買行動にマッチング

新たなマーケティングで次世代ビジネスモデルを構築 隠れた売れ筋を個人の購買行動にマッチング

 大量の衣料品廃棄をいかに回避するかはサステイナビリティー(持続可能性)社会の実現だけではなく、企業の業績改善の観点からも喫緊の課題となっている。在庫分析クラウドシステム「フルカイテン」を小売業に提供するフルカイテンと、CX(顧客体験)プラットフォーム「カルテ」を提供するプレイドは、小売業の販売促進に向けたシステム開発を共同で行っている。小売企業が、データに基づいて商品が売れない原因を考察し、顧客一人ひとりに合わせて最適な販促施策を展開できるようにすることを目的に、両社は実証実験を開始、今年7月のローンチを予定している。

教えて!コットンのアレコレ “サステイナブルコットン”は全綿花の3割に

教えて!コットンのアレコレ “サステイナブルコットン”は全綿花の3割に

 私たちの暮らしに身近なコットン(綿)。衣服やタオルなどたくさんのコットン製品に囲まれている。そんなコットンが自然環境への負荷が小さい素材として、SDGs(持続可能な開発目標)の潮流のなかで改めて価値が見直されるようになってきた。最近はオーガニックコットン(OC)を含む〝サステイナブルコットン〟という言葉を耳にしたことはないだろうか。サステイナビリティー(持続可能性)の文脈で語られるコットンについて深掘りしてみよう。コットンも含めて、植物系および動物系の天然繊維は原料自体が土に返る生分解性を持つ。その点を自然環境中で分解しない石油由来の化学繊維と比べると、コットンの方が環境負荷は小さいと言えるだろう。それなのにサステイナブルコットンとして、通常のコットンと区別されているのはなぜだろう。サステイナブルコットン事情に詳しい稲垣貢哉さんにコットンを取り巻くアレコレを聞いてみた。

マッシュグループがCO2削減を本格化

マッシュグループがCO2削減を本格化 取引先商社などとアライアンス

 マッシュグループは、自社の原料調達~生産工程と流通過程におけるCO2(二酸化炭素)削減に取り組む。マッシュホールディングスと傘下のマッシュスタイルラボ、マッシュビューティーラボ、マッシュライフラボそれぞれに「サステナブル推進委員会」を立ち上げる。マッシュスタイルラボが取引先の商社、資材メーカー、包材メーカーとアライアンスを組み、サプライチェーンで発生するCO2の排出量を独自に試算し、削減目標を設定、商品のタグでの表示などを通じてアライアンスの活動や取り組みの進捗(しんちょく)を消費者に伝えていく。

長期ビジョンの柱にサステイナブル据えるサンゲツ サプライチェーンで排出削減、進む資源循環

長期ビジョンの柱にサステイナブル据えるサンゲツ サプライチェーンで排出削減、進む資源循環

 インテリア大手のサンゲツ(名古屋市)は20年5月、グループの長期ビジョン「デザイン2030」を策定した。グループをスペースクリエーション企業と位置づけ、実現を目指す社会的価値として「インクルーシブ(みんなで)」「サステイナブル(いつまでも)」「エンジョイアブル(楽しさあふれる)」を掲げる。事業活動における環境負荷の低減は同ビジョンの重要な柱の一つ。事務所、倉庫から排出されるGHG(温室効果ガス)や資源の削減にとどまらず、生産工場から排出されるGHGやエネルギー、端材などの削減や、見本帳の回収・リサイクル、建築物に施工された商品の回収など、同社の事業領域全体の環境負荷を把握し、その低減や資源循環の体制構築を進めている。

迫られる従来型ビジネスモデルの見直し

迫られる従来型ビジネスモデルの見直し

 世界的なサステイナブル(持続可能な)社会に向けた潮流や国内市場における急速な人口減少、可処分所得の減少に伴う需要縮小を背景に、在庫過多を前提とした従来のファッション業界のビジネスモデルの見直しが迫られている。日本環境設計は消費者の使用済み衣料品を回収、リサイクル・再生プロジェクト「BRING」(ブリング)を企画・運営する。再生繊維の開発・製造、リサイクルコンサルティング事業などを通して循環型社会の実現に取り組んでいる。フルカイテンはEC・実店舗の在庫問題解決クラウドサービスを提供。必要な商品が必要な量だけ流通する〝在庫運用効率〟の重要性を強調し、業界の構造改革を促している。両社は異なるアプローチでサステイナブル社会の実現を目指している。

【PR】コロナ禍のファッション市場で急拡大する素材「Naia™」 サステイナブルと高品位な素材感で注目

【PR】コロナ禍のファッション市場で急拡大する素材「Naia™」 サステイナブルと高品位な素材感で注目

 米化学メーカーのイーストマンケミカルが製造・販売するジアセテート繊維「Naia™」が、サステイナブル(持続可能)ファッションを目指すブランドから支持を集めている。レディス市場に乗り出して間もないが、グローバルSPA(製造小売業)からラグジュアリーブランドまで浸透し、日本でも急速に販売を伸ばしている。昨秋には新たに、廃棄プラスチックをNaia™の原料に再生する製造プロセスを確立し、「Naia™ Renew」として投入した。Naia™ Renewを通じて循環型のファッションを後押しし、「持続可能なファッションを全ての人に届ける」ビジョンを描く。

日本写真印刷コミュニケーションズ 「ファブライト」 職人の知見とデジタル技術で高品質の印刷

【PR】日本写真印刷コミュニケーションズ 「ファブライト」 職人の知見とデジタル技術で高品質の印刷

 NISSHAグループの日本写真印刷コミュニケーションズは、ファッションテキスタイル向けに生地印刷ソリューションを提供している。美術市場の印刷で培った色彩調整のノウハウと高精細な撮影・印刷技術が強みだ。環境負荷の低さや、裁断までの一貫生産などを打ち出し、異業種参入企業として顧客開拓を進める。

【ファッションとサステイナビリティー】循環型社会へ業界団体の設立相次ぐ 事業者が連携し課題解決に踏み出す

循環型社会へ業界団体の設立相次ぐ 事業者が連携し課題解決に踏み出す

 SDGs(持続可能な開発目標)やサステイナビリティー(持続可能性)を意識した経営があらゆる業種で不可欠となる中、繊維・アパレル・ファッション業界でも地球環境に配慮した事業運営は避けて通れなくなっている。とくに衣料品の大量生産・大量廃棄などの問題を解決するために業界団体の設立が相次いでいる。

【ファッションとサステイナビリティー】流通大手の環境保全、持続可能性を高める取り組み

流通大手の環境保全、持続可能性を高める取り組み

 イオン、セブン&アイ・ホールディングスはそれぞれ基本方針や宣言を掲げ、流通のリーディングカンパニーとして、2050年をターゲットに環境保全や持続可能な社会を目指した取り組みを進めている。社会的な要請が強まるもと問題意識を高めており、取り組みをブラッシュアップ、アピールしながら目標達成を目指している。

【ファッションとサステイナビリティー】持続可能性で新しい形を築く東京ブランド

持続可能性で新しい形を築く東京ブランド 可視化や完全受注生産へ移行

 自分たちが出来ることから始めよう――。東京ブランドが、小売店やエンドユーザーとサステイナビリティ―(持続可能性)を共有する形を築いている。デザイナーブランドの多くは、国内の産地の技術を生かし、出来るだけ長く着続けて欲しいとクリエイションに向き合ってきた。そもそも過剰な在庫を持つ意識はないが、社会とともに成長する過程と捉えて新たな取り組みを始めている。

旭化成が世界で唯一生産するキュプラ繊維「ベンベルグ」

【PR】旭化成が世界で唯一生産するキュプラ繊維「ベンベルグ」 文化服装学院の学生がベンベルグの魅力をオンラインで体感

 旭化成はキュプラ繊維「ベンベルグ」事業で、次代のファッションビジネスを担う学生らへのサポートを国内外で強めている。日本ではこのほど、文化服装学院の学生に向けてベンベルグのレクチャーを実施、東京にある常設展示会場「ベンベルグ裏地ミュージアム+」とオンラインでつなぎ、ベンベルグの魅力やサステイナビリティー(持続可能性)の重要性について伝えた。

ザ・ライクラ・カンパニー GRS認定の100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」広がる

【PR】ザ・ライクラ・カンパニー GRS認定の100%エコ素材「COOLMAX®エコメイド」広がる ブランドのサステイナビリティー高める

 ザ・ライクラ・カンパニー(米デラウエア州、以下ライクラ社)が開発した吸汗速乾パフォーマンス素材COOLMAX®エコメイドは100%使用済みペットボトル資源から作られた注目のエコ素材だ。2021SSで有力ブランドに採用され、22SSに向けても広がりを見せている。サステイナビリティーはこれからのファッションビジネスに欠かせない。消費者は企業や製品開発の姿勢を注視している。

ロンハーマン 30年にCO2排出量実質ゼロに 23年までにセールも廃止

ロンハーマン 30年にCO2排出量実質ゼロに 23年までにセールも廃止

 サザビーリーグの「ロンハーマン」は、サステイナビリティー(持続可能性)への取り組みを本格化した。環境へ配慮した事業活動を進め、コミュニティーとの関わりを深めるほか、商品やサービスでサステイナブルな選択肢を提供し、社員の幸福度も高める考えだ。30年までにロンハーマン事業でのCO2(二酸化炭素)排出量実質ゼロを目指すほか、仕入れや在庫コントロール最適化により、23年までに店でのセールを廃止し、プロパー消化率80%など数値面でも具体的な達成目標も掲げる。

小型温冷機器専用ウェアが相次ぎ登場 省エネの切り札に

小型温冷機器専用ウェアが相次ぎ登場 省エネの切り札に

 ソニーの小型温冷機器「レオンポケット」を装着できる専用のウェア開発が、アパレルメーカー・小売りで相次いでいる。これまで4社・6ブランドが手掛け、着用できるシーンはビジネスからファッション、ゴルフまで広がった。なぜここまで注目されているのか。

旭化成「ベンベルグ」の目指す未来

【PR】旭化成 サステイナブルでインドに貢献 国連BCtAプログラムを進化

 旭化成はサステイナブル(持続可能な)の取り組みを強め、進化させている。2016年から、インドでのキュプラ「ベンベルグ」事業で国連開発計画が主導する「ビジネス行動要請(BCtA)」に参加しているが、このほどこれを更新・継続するとともに、水処理・浄化に使われる中空糸膜「マイクローザ」事業でもインドでの取り組みを進める。

オールバーズがカーボンフットプリントの製品表示を業界に提唱

【PR】オールバーズがカーボンフットプリントの製品表示を業界に提唱

 米サンフランシスコ発のシューズブランド「Allbirds(オールバーズ)」が、ファッション業界にカーボンフットプリント(CFP)の製品表示をするよう呼び掛けている。同社はCFPを算出できる「ライフサイクルアセスメント(LCA)ツール」を独自に開発しており、それを4月にウェブ上で公開。食品のカロリー表示のように、ファッション製品にもCFPの表示が当たり前となる世界を目指す。

服飾雑貨OEMのケージェイ サンプルやB品を自社工房でリメイク

服飾雑貨OEMのケージェイ サンプルやB品を自社工房でリメイク

 服飾雑貨OEM(相手先ブランドによる生産)のケージェイ(東京)は3月、バッグをアップサイクルする次世代型工房「人形町BASE」を開設した。今まで廃棄してきたサンプルや不良品、余剰在庫などを自社でリデザイン・リメイクして一点物としてよみがえらせ、取引先の店頭で販売するサステイナブル(持続可能)な取り組みを、今夏から始動する。

商業施設で再エネの導入・拡大相次ぐ カーボンニュートラル実現目指す

商業施設で再エネの導入・拡大相次ぐ カーボンニュートラル実現目指す

 政府が50年の目標に掲げたカーボンニュートラル(二酸化炭素=CO2の排出量と吸収量を合わせてゼロにする状態)の達成に向けて、商業施設の取り組みが活発だ。中でも、CO2を排出しない再生可能エネルギー(再エネ)の利用を開始・拡大する施設が増えてきた。多くが供給事業者とアライアンスを組んで安定供給体制を整備、自社発電機能を生かす大手不動産ディベロッパーもある。脱炭素をはじめとしたサステイナビリティー(持続可能性)への取り組みは商業施設にとって、必要不可欠となった。

緑の地球を守るため、ゴールドウインがGREEN IS GOODを推進

【PR】旭化成「ベンベルグ」の目指す未来 オンリーワン素材ならではの社会貢献を

 旭化成はキュプラ「ベンベルグ®」で、サステイナビリティー(持続可能性)への貢献を強めている。3月24日、第8回ファッションワールド東京で、旭化成の工藤幸四郎常務執行役員パフォーマンスプロダクツ事業本部長が「今、業界に求められる社会貢献とは?~旭化成『ベンベルグ』の目指す未来~」と題して講演し、サステイナブル戦略について語った。

ルートート トートバッグで社会貢献 リサイクルやクリーン活動

ルートート トートバッグで社会貢献 リサイクルやクリーン活動

トートバッグだからこそできる社会に向けた取り組み。ルートートはトートバッグブランド「ルートート」で、そんな商品開発や活動をSDGs(持続可能な開発目標)が打ち出されるずっと以前から進めてきた。トートバッグを発信し、収益事業としてサステイナビリティー(持続可能性)やSDGsを推進している。

緑の地球を守るため、ゴールドウインがGREEN IS GOODを推進

【PR】緑の地球を守るため、ゴールドウインがGREEN IS GOODを推進

 エコに関心の高いスポーツ・アウトドア用品メーカーは多いが、地球環境のためにできることを系統的かつ継続的に実践している企業はまだ少ない。こうしたなか、ゴールドウインは08年からGREEN IS GOOD(グリーン・イズ・グッド)というコンセプトのもと、製品づくりから回収・再生の各段階で、多彩な取り組みを全社で展開し、成果をあげている。

商社の環境負荷低減に向けた取り組みが加速 前提となる「社会的役割と責任」

商社の環境負荷低減に向けた取り組みが加速 前提となる「社会的役割と責任」

 商社の繊維・ファッションビジネスで、社会全体のサステイナブル(持続可能)に資するための業務提携や新規プロジェクトに向けた動きが活発化している。今や循環型社会の発展を目指すことは事業における必須の課題となっている。環境負荷が高いとされる繊維・ファッション産業の変革に向けて、商社の具体的な施策が求められている。

サカエ ハンガー・カバーの完全リユース・リサイクル プラゴミを出さず資源を循環

サカエ ハンガー・カバーの完全リユース・リサイクル プラゴミを出さず資源を循環

 サステイナブル(持続可能性)な販売・物作りを考える上では、素材や製造工程だけでなく、サプライチェーン全体における取り組みが必要不可欠だ。物流、店頭用ハンガーにおいてもリユース・リサイクルの取り組みが進みつつある。総合プラスチックメーカー、サカエ(大阪府東大阪市)は、約10年前から物流・店頭用ハンガーおよびハンガーカバーのリユース・リサイクルに着手。金型製作から成型といったハンガーの自社一貫メーカーならではの強みを生かし、アパレルメーカーとの取り組みを広げている。

マッシュホールディングスが考えるサステイナビリティーのあり方

マッシュホールディングスが考えるサステイナビリティーのあり方

 生活者の行動変容が進み、サステイナビリティーをビジネスの様々な場面で追求することの重要さが増している。リサイクルやオーガニックの素材の使用や、地球環境や社会に負荷を与えずに商品を作ることだけでなく、店頭での接客やECを通じて消費者に届けるまで、すべてのプロセスで、これまでと違う姿勢が企業には求められる。マッシュホールディングス(HD)の近藤広幸社長に、同社の取り組みと、ファッション企業はどのようにサステイナビリティーと向き合うべきなのか、聞いた。

アパレル企業のサステイナビリティー さらに加速

アパレル企業のサステイナビリティー さらに加速

 SDGs(持続可能な開発目標)やサステイナビリティー(持続可能性)を意識した取り組みが各社で進んでいる。環境に配慮した物作りや素材の使用はもはや一般化し、そこから一歩踏み込み、ファッションの高揚感と消費者の共感をいかに高められるかが今後、求められている。

【PR】使用済みプラスチックハンガー・ハンガーカバーの完全リユース&リサイクルプロジェクト サカエのSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

【PR】使用済みプラスチックハンガー・ハンガーカバーの完全リユース&リサイクルプロジェクト サカエのSDGs(持続可能な開発目標)への取り組み

 総合プラスチックメーカー、サカエ(東大阪市)は物流・店頭用ハンガー事業で、完全リユース・リサイクルの取り組みを強めている。特にリサイクルは製販一体メーカーの強みを生かし、自社で素材別に再利用する仕組みを作り上げた。アパレルメーカーなど取引先もSDGsを意識するようになり、リユース・リサイクルが大きく伸びるとみている。

《座談会》オーガニックコットン普及の鍵は?

《座談会》オーガニックコットン普及の鍵は?

 店頭やECで、サステイナビリティー(持続可能性)を全面に出している商品が増えている。中でもオーガニックコットンは認知度が高いが、詳細の理解は浸透していない側面もある。オーガニックコットンに関わる取り組みを推進している財団と商社、アパレル企業からその基本と普及の鍵を聞いた。

【PR】レイングッズのビコーズ ペットボトルリサイクル生地使用の傘「RE:PET」を発売

【PR】レイングッズのビコーズ ペットボトルリサイクル生地使用の傘「RE:PET」を発売

 傘などレイングッズメーカーのビコーズ(東京)は、21年2月から環境に配慮した「U-DAY(ユーデイ)」ブランドで、ペットボトルリサイクル生地使用「RE:PET(リ・ペット)」シリーズの傘を販売する。渡辺一徳社長は「天候に深く関わる企業として、環境への配慮や守っていくことへの大きな意義、きれいな雨を降らせていく使命がある」として、サステイナブル(持続可能)な商品企画を強めている。

【PR】〝繊維の宝石〟シーアイランドコットンが紡ぐサステイナブルな価値とは

【PR】〝繊維の宝石〟シーアイランドコットンが紡ぐサステイナブルな価値とは

 シルクのような光沢とカシミヤのような肌触りで“繊維の宝石”という愛称を持つ、シーアイランドコットン(海島綿)。傑出した品質と希少性の高さで知られるが、実は綿花栽培の持続的発展や、良い物を長く使う消費の浸透を目指すサステイナブル(持続可能)な繊維でもある。販社であるシーアイランドクラブは、マーケットの拡大がサステイナビリティーに直結するとして、品質向上や認知拡大に力を入れている。

インテキ上海ではサステナブルのコーナーが設置

サステイナブルの打ち出し強める中国展 消費者意識の高まり反映

 中国市場でもサステイナビリティー(持続可能性)の重要性が増している。ここ数年、素材分野でエコ、環境配慮型と並んで重要なキーワードとなっていた。素材メーカーは、欧米市場を意識した提案が中心だった。ここにきて中国アパレルもサステイナブルを意識し始めている。中国消費者の意識の高まりを受けての対応とみられる。

芯に「ソロナ」を使った複重層糸

【PR】ユニチカトレーディング エコな紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」を新開発 植物由来原料「ソロナ」を複重層糸に初採用

 地球環境に配慮した企業経営に取り組むユニチカグループのメーカー系商社、ユニチカトレーディング(UTC)はこのほど、環境配慮型の新しい紡績糸「パルパー・メイド・ウィズ・ソロナポリマー」(以下、「パルパー・ソロナ」)を開発した。主要な原料に米国の化学メーカー、デュポンの植物由来ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)樹脂「ソロナ」を採用し、それを綿の風合いとポリエステルの機能を高度に複合したUTC独自の特殊複重層糸「パルパー」に応用した。複重層糸に「ソロナ」を使うのは世界で初めてのケースで、11月から日本及び海外で販売を始める。

あの手この手で、廃棄物を減らそう アップサイクル、在庫削減、産廃活用など

あの手この手で、廃棄物を減らそう アップサイクル、在庫削減、産廃活用など

 持続可能な社会へ、廃棄物をいかにして減らしていくのか。繊維、ファッション業界でも、あの手この手、様々なアプローチで廃棄物削減の取り組みが進んでいる。6~8月の紙面から振り返ってみよう。

 ジョンブルは20~21年秋冬物から、アップサイクルプロジェクトの「リベア・バイ・ジョンブル」の卸を開始する。プロジェクトは、サステイナビリティー(持続可能性)の視点でスタートしたもの。

レジ袋有料化始まる 広がるエコバッグ 環境対応素材などで社会貢献

レジ袋有料化始まる 広がるエコバッグ 環境対応素材などで社会貢献

 7月1日からレジ袋の有料化がスタートした。ファッション業界でもこれに対応した動きが活発化、6、7月の繊研新聞紙面でもレジ袋有料化対応、エコバッグの新商品発売などを紹介する記事が目立った。環境対応素材使いなどを中心にその一部をダイジェストでまとめた。

帝人フロンティアのリサイクルポリエステル繊維「エコペット」

帝人フロンティア リサイクルポリエステル繊維「エコペット」 発売から25年 技術力磨きさらに成長

 環境に配慮した素材で作ったアパレル製品を店頭で見かけることがこの1、2年で普通になってきた。新型コロナウイルスが世界を襲い、今後消費者意識がどう変化するか、予想するのは困難だ。「ますますサステイナビリティー(持続可能性)、エコロジーが重視される」という見方がある一方、「低価格ニーズがさらに強まる」との見解もある。

「コットン・アップ・ガイド」日本版

コットンの持続可能性を目指して 英NGOが「コットン2040」を推進

 4~6月は環境問題やサステイナビリティー(持続可能性)に関連した重要なイベントが目白押しのシーズンだ。今年は新型コロナウイルスの影響で多くのイベントが中止になったが、4月は地球環境を考える「アースデー」(4月22日)、バングラデシュの縫製工場が倒壊し大勢の死者を出した日に由来した「ファッション・レボリューション・デー」(4月24日)、フェアトレード(公正取引)をアピールする「世界フェアトレード・デー」(5月第2土曜日、5月は世界フェアトレード月間)などがあった。

ペットボトルリサイクルの協栄産業

ペットボトルリサイクルの協栄産業 高度な技術で粘度をコントロール

 使用済みペットボトルを原料にしたリサイクルポリエステル繊維が広がっている。海洋プラスチックごみ問題などへの関心が高まり、課題解決につながる手段として改めて注目されているのだ。85年からリサイクル事業を行う協栄産業(栃木県小山市、古澤栄一社長)は、長年磨き上げた高度なリサイクル技術で、アパレルに求められる高機能・高感性な繊維に対応したリサイクル原料を製造している。


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■Pioneer インタビュー

乃村工芸社ソーシャルグッド戦略部長 後藤慶久さん 意識変革へマナーブック作成

乃村工芸社ソーシャルグッド戦略部長 後藤慶久さん 意識変革へマナーブック作成

 「ソーシャルグッド」を掲げ、社会課題解決への貢献を目指す乃村工芸社。環境、文化、地域、人といった四つの領域で進めているが、同社の担う商業施設などの空間作りの分野でも持続可能性は欠かせない視点になった。そうした状況のもと『サステナブルマナーブック』を作成、内側から意識を変える取り組みを本格化した。

スパイバー執行役員 枡野恵也さん たんぱく質で人類社会をアップデート

スパイバー執行役員 枡野恵也さん たんぱく質で人類社会をアップデート

 スパイバーは、人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)の事業化へ大きく前進している。タイのBP発酵プラントの量産を開始したのと並行し、国内外の紡績やテキスタイルメーカーとのサプライチェーンを強化。アパレルでの量産品の販売も始まった。同社は、BPの資源として最大限活用を目指し、技術確立や製品設計ガイドライン作成、インフラ構築を進めている。

中田工芸社長 中田修平さん “働きやすさ”も“働きがい”も

中田工芸社長 中田修平さん “働きやすさ”も“働きがい”も

 木製ハンガーの中田工芸(兵庫県豊岡市)は、社員が働きやすさと働きがいを実感できるよう工夫を凝らす。技術を支え、営業にいそしむ社員のモチベーションに目を向け、気持ち良く働き続けてもらうことが会社の維持・発展につながると考えるからだ。

アシックス サステナビリティ統括部長 吉川美奈子さん ステークホルダーとの協働必須

アシックス サステナビリティ統括部長 吉川美奈子さん ステークホルダーとの協働必須

 アシックスは9月、材料調達から生産、輸送、使用、廃棄に至る製品のライフサイクル全体で温室効果ガスの排出量を1.95キロに抑えたスニーカー「ゲルライトスリーCM1.95」を発売した。これは市販スニーカーのなかで最も少ない排出量という。環境負荷の低い靴をどう実現したのか。

オンワード樫山サステナブル経営グループサステナブル経営Div.長 山本卓司氏 衣料品の循環システム構築へ

オンワード樫山サステナブル経営グループサステナブル経営Div.長 山本卓司氏 衣料品の循環システム構築へ

 オンワード樫山が09年にスタートした、衣料品の循環システムの構築を目指す「オンワード・グリーン・キャンペーン」が広がっている。不用になった自社衣料品の引き取りと参加者は年々増加傾向で、リユース商品を販売する「オンワード・リユースパーク」(東京・吉祥寺)は来年10周年を迎える。今期(24年2月期)から、グループ全体のサステイナブル(持続可能な)経営を推進するプロジェクト「グリーン・オンワード」を開始するなど、さらに活動が進んでいる。

ミマキエンジニアリング社長 池田和明氏 消費地近くのビジネス創出

ミマキエンジニアリング社長 池田和明氏 消費地近くのビジネス創出

 インクジェットプリンターを製造・販売するミマキエンジニアリングは、テキスタイル・アパレル向けにサステイナブル(持続可能な)のソリューションを強化している。デジタルプロセスによって環境負荷の軽減だけでなく、簡単で使いやすい機械で消費地近くの新たなビジネス創出に貢献していく考え。池田和明社長にアパレル業界への提案について聞いた。

ブラザー 販売経営企画部企画G 中尾果梨氏 ミシンを地域のハブに

ブラザー 販売経営企画部企画G 中尾果梨氏 ミシンを地域のハブに

 ブラザー販売が取り組む地域コミュニティー創生に向けた活動が、着実に成果を上げつつある。ブラザーグループの国内マーケティング会社として、家庭用ミシン、プリンターの営業企画・販売を担い、「ミシンもプリンターも人と人をつなぐ役割を持つ」可能性を模索してきた。SDGs(持続可能な開発目標)担当で、各事業部のサステイナブル(持続可能な)企画を統括する、経営企画部企画Gの中尾果梨さんに話を聞いた。

デカトロンディストリビューションジャポン代表取締役 ロック・ニコラ氏 26年までに全製品をエコデザイン化

デカトロンディストリビューションジャポン代表取締役 ロック・ニコラ氏 26年までに全製品をエコデザイン化

 スポーツ用品を製造・販売する仏デカトロンが、カーボンニュートラルの取り組みを強めている。「エコデザイン」化した製品の拡充や、製品の長寿命化などを通じ、CO2(二酸化炭素)排出量の削減を目指す。レンタルサービスも拡充する。日本法人代表のロック・ニコラ代表に、サステイナビリティー関連の施策を聞いた。

丸八生糸取締役経営企画室室長 塩尻雄亮氏 オーガニックシルク市場を創る

丸八生糸取締役経営企画室室長 塩尻雄亮氏 オーガニックシルク市場を創る

 和装が主力のシルク専門商社、丸八生糸(京都市)が、新規ビジネスでオーガニックシルクを販売した。このほど、シルク原料全般の貿易商社として、オーガニック繊維製品の国際基準GOTS(グローバル・オーガニック・テキスタイル・スタンダード)認証を取得。シルク原料を安定的に供給する責任を果たすため、グローバルな供給網を築いてきた同社。オーガニックシルクについてもGOTS認証工場との強固なパートナーシップを基盤に「国内外で市場開拓、流通の拡大に挑む」という。

三菱ケミカルアドバンストマテリアルズ本部繊維事業部 山中康司氏 テキスタイルの環境負荷を「見える化」

三菱ケミカルアドバンストマテリアルズ本部繊維事業部 山中康司氏 テキスタイルの環境負荷を「見える化」

 三菱ケミカルが世界で唯一生産するトリアセテート繊維「ソアロン」。主原料に木材パルプを使う植物由来の美しさに、イージーケアをはじめとした化学繊維の長所を併せ持つのが特徴で、婦人服分野を中心に高い評価を受けてきた。近年は、環境対応でも注目されている。19年に立ち上げた「ソアグリーンプログラム」は、国内ファッションテキスタイルではいち早く、環境負荷度の可視化に挑戦。サプライチェーンを形成する国内産地のパートナー工場と連携を強め、フェーズ3への取り組みを進めている。

スペース尾西雄一郎クリエイティブディレクター兼名古屋本部クリエイティブ事業部事業部長 リノベーションで使い続ける

スペース尾西雄一郎クリエイティブディレクター兼名古屋本部クリエイティブ事業部事業部長 リノベーションで使い続ける

 商業施設などで内装を行うスペースは、〝ライトダウン〟をテーマにしたKIITE名古屋のクリスマスツリーを担った。暗がりに柔らかくともるツリーは来館者を引き付けたという。ここで使われたのは電力を使わない蓄光プラスチック。新たな表現と省エネルギーを組み合わせた。内装の分野でもサステイナビリティー(持続可能性)は欠かせなくなっている。さらにこの業界だからこその持続可能な社会への役割がある。暗がりのツリーを担当した尾西雄一郎クリエイティブディレクター兼名古屋本部クリエイティブ事業部事業部長に聞いた。

ヒューマンフォーラム岩崎仁志社長 京都市で古着の回収&循環を推進

ヒューマンフォーラム岩崎仁志社長 京都市で古着の回収&循環を推進

 「スピンズ」などを運営するヒューマンフォーラム(京都市)は、22年夏から京都で古着の回収と再循環のイベント「循環フェス」を開始。9月からは京都市で使用済み衣服の回収&循環プロジェクト「RELEASE⇔CATCH」(リリース・キャッチ)を中心メンバーとして始動した。今後は回収した服のリユース、リサイクルを、パートナーも広げながら発展させたい考えだ。

ティンパンアレイ平野大輔社長 リメイクと目利きで在庫品の消化促進

ティンパンアレイ平野大輔社長 リメイクと目利きで在庫品の消化促進

 18年にワールドグループ入りしたティンパンアレイ(東京)は、デザイナーズブランドの古着店「ラグタグ」「rt」を運営する。古着店業態そのものが資源を無駄にしないビジネスといえるが、当然ながら売り物にならないものが一定ある。東京・国立の倉庫に眠る約30万点の在庫の中から、リメイクして新しい商品によみがえらせたり、キュレーターの目利きで選んだ商品を展示販売したりして、売れづらい商品の消化促進も同時に進めている。

ドゥーラック今堀陽次社長 過剰在庫の解決、福祉と雇用で

ドゥーラック今堀陽次社長 過剰在庫の解決、福祉と雇用で

 メーカーや小売りの過剰在庫を買い取り、廉価で販売するドゥーラック(京都府長岡京市)は22日、西友長岡店に主力の「ラックドゥ」をオープンした。ドゥーラックの今堀社長が兼務する障害者就労継続支援事業のパララックス(京都府宇治市)及び大手子供服メーカーとの3社協業による初の店舗だ。検品や品出し、ウェブ用の写真加工や採寸などの業務を障害者に委ねているが、今回は販売も担う。今堀社長は、「環境配慮と福祉・雇用という複数の課題解決につながる事業。メーカーとの取り組みをもっと増やしていきたい」と話す。

ユナイテッドアローズ社長室サステイナビリティ推進部部長 玉井菜緒氏 3カテゴリーの数値目標策定

ユナイテッドアローズ社長室サステイナビリティ推進部部長 玉井菜緒氏 3カテゴリーの数値目標策定

 ユナイテッドアローズは、8月にサステイナビリティー(持続可能性)の数値目標を公表した。「サーキュラリティ」「カーボンニュートラル」「ヒューマニティ」の3カテゴリーで31年3月までの達成を目指す。同社のサステイナビリティー推進に長年携わってきた玉井菜緒サステイナビリティ推進部部長にこれまでの経緯と数値目標策定の背景を聞いた。

艶金代表取締役社長 墨勇志氏 脱炭素経営の事業改革に共鳴

艶金代表取締役社長 墨勇志氏 脱炭素経営の事業改革に共鳴

 二酸化炭素排出の削減を経営の基本方針とする「脱炭素経営」を志向している艶金。「染色整理加工業は繊維産業のサプライチェーンで最もエネルギー使用が大きい業種」と指摘。このため「サプライチェーン全体での環境配慮では染色整理加工業が真っ先に取り組むべき」と語る。

かこっとん代表 鷲尾吉正氏  “継続可能”な国産綿花栽培を

かこっとん代表 鷲尾吉正氏  “継続可能”な国産綿花栽培を

 11年から兵庫県加古川市で超長綿のオーガニックコットン(OC)栽培を本格化。「江戸時代、全国に名をはせた『播州木綿』を復活させ、地域経済、地場産業である靴下を元気にしたい」と様々なプロジェクトを推進してきた。環境重視、地方の見直し、海外の超長綿の高騰など追い風を感じているが、重要なのは「農家をはじめ関連する全ての人たちが、無理せず継続的に綿花を作り続ける仕組みの確立」と力を込める。

コーベル社長 尾崎功氏 実用性やデザイン性が第一

コーベル社長 尾崎功氏 実用性やデザイン性が第一

 「デザイナーは環境への配慮ばかりを求めていない」というのは、店舗用ディスプレーハンガーを主力とするコーベルの尾崎功社長。世界的に〝サステイナブル(持続可能)な社会の実現〟が叫ばれ、同社にもバイオマスプラスチックを使ったハンガーへの問い合わせが増えているが、「私たちはあくまでブランド、その店舗のイメージや品位を損なわないデザインで、使いやすいハンガーを提供することが第一」と強調。「それを大前提に環境負荷の低減に貢献する製品も提供する」と語る。

三越伊勢丹ホールディングス総務統括部サステナビリティ推進部長 宮下真紀子さん 6つのワーキンググループを設置

三越伊勢丹ホールディングス総務統括部サステナビリティ推進部長 宮下真紀子さん 6つのワーキンググループを設置

 持続的な成長を続けるための姿勢や活動をステークホルダーに対して理解してもらう「サステナイビリティレポート」を21年11月に初めて発刊した。これまでグループ内の各社が取り組んできたサステイナビリティ―(持続可能性)活動について、全社で見える化し、さらに社内外に分かりやすく伝えて、実践を支援するサステナビリティ推進部を22年4月に発足した。

V&Aジャパン代表取締役会長 宮本淳氏 ポリエステルの堆肥化、全国で

V&Aジャパン代表取締役会長 宮本淳氏 ポリエステルの堆肥化、全国で

 土の中の微生物の働きによって水と二酸化炭素に分解される、生分解ポリエステル。テキスタイルコンバーターのV&Aジャパン(大阪市)が手掛ける「クラフトエボ・リテ」が注目されている。素材の販売にとどまらず、回収、廃棄まで含めた仕組みを10年かけて構築した。

ケンイチロウ・コヤマ・クリエイティブ・プロデュース・オフィス代表 小山健一郎氏 事業はすべて社会課題の解決

ケンイチロウ・コヤマ・クリエイティブ・プロデュース・オフィス代表 小山健一郎氏 事業はすべて社会課題の解決

 アパレル販売員からグローバルブランドのビジュアルマーチャンダイザー、工務店勤務を経て独立した小山健一郎さんは、19年9月に地元大阪を離れ、沖縄本島の最北端、国頭村(国頭郡)に拠点を移した。野性味あふれる自然が魅力だが、一方で社会課題も多い。閉業したホテルのリノベーションやかりゆしウェア(以下、かりゆし)のアップサイクルなど様々な取り組みを移住先で進める。「事業は全て社会課題の解決」と小山さんは話し、文化と絡めながら情報発信している。

一般社団法人SWiTCH 佐座槙苗(まな)氏 企業内に環境アンバサダーを鍵"

一般社団法人SWiTCH 佐座槙苗(まな)氏 企業内に環境アンバサダーを

 20年に予定されていたcop26(国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議)が新型コロナで延期された際、それを問題視した若者が模擬コップを開催し、各国首脳に政策提言した。その後、佐座さんはそのグローバルコーディネーターアジア代表を務めた。佐座さんは21年1月にswitchを設立。温暖化を止め、持続可能な社会を目指す活動を展開している。

【ファッションとサステイナビリティー】ワコールホールディングスコーポレートコミュニケーション部サステナビリティ担当 谷春菜さん・山本圭奈子さん 環境問題への社内認識の共有化が鍵

ワコールホールディングスコーポレートコミュニケーション部サステナビリティ担当 谷春菜さん・山本圭奈子さん 環境問題への社内認識の共有化が鍵

 気候変動課題の解決や脱炭素社会の実現など、「環境経営」を本格化し始めたワコールホールディングス。コーポレートコミュニケーション部で、サステイナビリティー推進担当を担うのは中堅女性社員の2人。アパレル業界で先行例の無い取り組みに挑戦する上での思いや課題を聞いた。

【ファッションとサステイナビリティー】オールユアーズ代表取締役兼製品開発総責任者 原康人さん 作る物に責任持ち処分から逃げない

オールユアーズ代表取締役兼製品開発総責任者 原康人さん 作る物に責任持ち処分から逃げない

 機能的な日常着を企画・販売するオールユアーズ(東京、木村昌史、原康人代表)は9月、衣服を循環させ、ごみを生まない仕組み「環す」(まわす)を開始した。客が着なくなった自社製品を回収・修理し、再販売する。再販売できない製品は、磁力を利用した有機物分解処理を施し、セラミックスの灰に変え、再資源化する。分解処理はTOSS(トス、神奈川県相模原市)と提携し、磁気熱分解装置の販売権や代理店の指名権に関する契約を結んだ。分解・再資源化の仕組みは、幅広い事業者に開放し、業界内外に協力者を募る。

パタゴニア日本支社長 マーティ・ポンフレー氏 古着販売はビジネスチャンス

パタゴニア日本支社長 マーティ・ポンフレー氏 古着販売はビジネスチャンス

 パタゴニア日本支社が、修理などで製品の長期使用を消費者に呼び掛ける「ウォーンウェア」活動を強化している。このほど、衣類の買い取り・販売のため、「古物商許可」資格を取得。8月20日~9月26日には、自社スタッフから買い取った古着を中心に揃えた期間限定売り場を、直営店の「パタゴニア東京・渋谷」内に設けた。今後は一般客から仕入れた古着の販売も、視野に入れている。

フェニックス・インターナショナル社長 脇坂大樹氏 長く愛される商品を作る

フェニックス・インターナショナル社長 脇坂大樹氏 長く愛される商品を作る

 ニット、カットソー主力の中堅OEM/ODM(相手先ブランドによる設計・生産)、フェニックス・インターナショナル(東京)が納品先との新しい取り組みを昨年秋から始めた。展示会でシーズンの全量を受けるやり方を改め、初期受注を最小限に、追加で納品し消化を高める狙い。消化率が改善すれば、以降の製造原価を高める余地が生まれ、消化率もさらに上がる、というのが描くシナリオだ。「無駄に安いものではなく、高付加価値で長く愛される商品を作る。それが、フェニックスが考えるサステイナブル」と言う脇坂大樹社長に話を聞いた。

FINE取締役COO 津田一志氏 流通在庫減少するも専門業者は必要

FINE取締役COO 津田一志氏 流通在庫減少するも専門業者は必要

 ファッション衣料を中心とした流通在庫を買い取り、自社ブランド「リネーム」などで卸販売してきたのがFINE。ファッション市場で高まってきた過剰生産・流通在庫増加に対していかに圧縮するか。そして衣料品の廃棄や焼却による温室ガス発生も大きな比率を占めるとして、流通在庫の再生が大きなうねりになってきた。この背景を受けて創業以来扱い数量を急拡大してきた同社だが、ここにきて扱い数量は横ばいに転じている。コロナ禍によってアパレル商品の市中流通量が減少したことに加え、一品単価の向上や買い取りロットの中小化なども理由だ。同社の津田一志取締役COOに聞いた。

イオン環境財団事務局長 山本百合子氏 商品から消費者つなぐ植樹

イオン環境財団事務局長 山本百合子氏 商品から消費者つなぐ植樹

 イオンがキャサリン・ハムネットと協業した「セービング・ザ・プラネット」プロジェクトが2年目を迎えた。オリジナルTシャツの購入が植樹につながるもので、30年前から内外で植樹活動を行ってきた先駆けといえる存在だが、最大の小売りグループとして、商品開発からつながる新たな取り組みに踏み出した形。継続しながら浸透を目指す。プロジェクトを担うイオン環境財団の山本百合子事務局長に聞いた。

エイチ・ツー・オーリテイリング経営企画室サステナビリティ推進部長 西田哲也氏 従業員の熱量の総和を高める

エイチ・ツー・オーリテイリング経営企画室サステナビリティ推進部長 西田哲也氏 従業員の熱量の総和を高める

 阪急うめだ本店は20年10月、〝未来につながる〟をテーマにした全館イベント「グッド・フォー・ザ・フューチャー」を開催した。21年3月には、阪急メンズ大阪が日本環境協会のエコマークの小売店舗向け認定を取得している。4月に、CSR推進部を発展させる形でサステナビリティ推進部を新設した。初代部長であり、阪急阪神百貨店経営企画室サステナビリティ推進部DMでもある西田氏に百貨店の取り組みを中心に聞いた。

ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏 より良い社会を目指し本気で

ファーストリテイリング会長兼社長 柳井正氏 より良い社会を目指し本気で

 ファーストリテイリングは「サステナビリティレポート2021」を発表した。06年から発行しているが、21年版では柳井正会長兼社長が経済学者で思想家のジャック・アタリ氏と対談した内容や、環境問題に取り組む様々な人物にもインタビュー、自社の取り組みについてもより分かりやすい内容を目指し、翻訳言語も増やした。企業にとってのサステイナビリティー(持続可能性)の重要性について柳井会長が語った。

小松マテーレ会長 中山賢一氏 自然の声を聞く会社を目指す

小松マテーレ会長 中山賢一氏 自然の声を聞く会社を目指す

 小松マテーレは、人々に健康、安全、快適性、美を提供できる会社を目指しています。同時にもう一つ大きな柱として取り組んでいるのが環境です。

 環境問題では、99年4月に地球環境の保護保全にむけ「小松精練環境管理宣言」を策定し、これまで環境保全および環境づくりを最重要課題としてさまざまな企業活動に取り組んできました。

ゴールドウイン社長 渡辺貴生氏 30年には90%超をエコ素材に

ゴールドウイン社長 渡辺貴生氏 30年には90%超をエコ素材に

 ゴールドウインが地球環境保護に向けた取り組みを強化している。スパイバーと共同で進める次世代新素材「構造タンパク質素材」では、実用化・量産化に向けた動きを加速。渡辺貴生社長は「人類が地球で存在するには、新たなテクノロジーを開発し、モノ作りを変化させなければいけない」と強調する。

ケケン製品認証事業部長 丸茂征也氏

ケケン製品認証事業部長 丸茂征也氏 コストとの両立を考え続ける

 ケケン試験認証センターはテキスタイル・エクスチェンジ(TE)規格の認証業務を年内に始める。TEはサステイナブルな繊維産業構築のための調査、啓発行い、世界375社が加盟する(20年6月)団体で、ケケンは19年9月に加盟、20年1月にTE規格認証機関となる申請をし、承認を待っている段階だ。日本の検査機関として初のTE規格認証業務を実施し、日本のサステイナブルな繊維産業の構築を支援する。丸茂征也製品認証事業部長に、日本での国際認証業務の意義などについて聞いた。

アディダスジャパン副社長 トーマス・サイラー氏 「三つのループ」実現に挑む

アディダスジャパン副社長 トーマス・サイラー氏 「三つのループ」実現に挑む

 24年までにバージンポリエステルの使用撤廃を決めるなど、業界に先駆けサステイナビリティー活動に本腰を入れるアディダス。現在は、リサイクルや生分解性素材の活用による循環型製造プロセスの確立に力を入れる。ジャパン社のトーマス・サイラー副社長に概要を聞いた。

WeDoイノベーション 紅真次郎ディレクター 「理念・方針はサプライヤーとともに」

WeDoイノベーション 紅真次郎ディレクター 「理念・方針はサプライヤーとともに」

 昨今、様々な商品の開発・生産に欠かせない視点は、エコフレンドリーやサステイナビリティー(持続可能性)。ところが、多くのブランドには掲げる理念や方針と現実の間にギャップが存在する。そう指摘するのは、グローバルスポーツブランドなどの靴開発に携わり、最先端の動向を知るWeDoイノベーション(ベトナム)でディレクターを務める紅真次郎氏。世界的なサステイナビリティーの潮流の中で、靴を取り巻く生産現場の動向と課題を聞いた。

ACE代表 岩附由香氏

ACE代表 岩附由香氏 コロナ禍が児童労働招く懸念

 世界から児童労働をなくすために活動するNPO(非営利組織)のACE。新型コロナウイルスで支援活動をする国にも大きな影響が出ている。感染拡大が、児童労働やファッションのサプライチェーンにどう影響しているかを聞いた。

前・パタゴニア日本支社長の辻井隆行氏

前・パタゴニア日本支社長の辻井隆行氏 「本質的な一歩を踏み出す時」

 コロナ禍によってあまたの尊い命が返らぬものとなり、今なお、大勢の方々が苦しんでいる。心からのお悔やみとお見舞いを申し上げると共に、社会の一員として、一刻も早く事態が終息することを願う。一方、いずれ終息したとして、その先の社会は一体どうなっていくのだろうかという不安を抱えている方々も少なくない。その不安を突き詰めて考えれば、経済停滞による社会の機能不全にだけではなく、今、未来に向けた適切な一歩を踏み出さなければ、私たちは新たな脅威にさらされ続けることになるという憂苦の中に、その本質があることに気づく。

フィールド保全を支援するCAJの三浦務代表理事

フィールド保全を支援するCAJの三浦務代表理事「地球規模の課題にも目を」

 アウトドアフィールドの保全活動団体などを支援する一般社団法人コンサベーション・アライアンス・ジャパン(CAJ)が今年、創設20周年を迎える。今後、助成金額の引き上げや助成対象の範囲拡大に向け、加盟企業を増やす。


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【特集】スタートアップが開く次代の市場(2023.11)

 サステイナブル分野においてスタートアップが市場を広げている。環境配慮型の革新的な素材やデジタル技術開発で、新たな需要を掘り起こしている。社会貢献と経済合理性を追求しながら新しい市場領域を創出することで、繊維・ファッション業界を活性化している。

やまぎん バイオテックワークスエイチツー 廃棄衣料を再エネに利用

やまぎん バイオテックワークスエイチツー 廃棄衣料を再エネに利用

 「サステイナブルやSDGsの目標を負担なく達成しませんか」と業界に向けて提案しているのが、当社の子会社バイオテックワークスエイチツーの推進する、廃棄衣料品を水素化するプロジェクト「バイオテックワークスエイチツー」です。

ハイケム PLA「ハイラクト」 欧州で評価、採用に手応え

ハイケム PLA「ハイラクト」 欧州で評価、採用に手応え

 バイオベース100%で生分解性を持つオリジナルのPLA(ポリ乳酸)繊維「ハイラクト」を広げています。中国の豊原集団と提携してPLA樹脂を調達し、日本の改質技術で染色性などを上げたのが特徴です。豊原集団はPLAの生産能力を大幅に拡大する計画で、これによるコスト軽減効果にも期待しています。

スパイバー 「ブリュード・プロテイン」の量産スタート、世界へ拡販

スパイバー 「ブリュード・プロテイン」の量産スタート、世界へ拡販

 人工たんぱく質素材「ブリュード・プロテイン」(BP)で初となる量産プラントがタイで昨年7月に本格稼働を始めました。出資を受け、共同開発を続けてきたゴールドウインで今秋、初めての量産アイテムの販売が始まり、ようやくスタートラインに立てたという気持ちです。同時にこれからが楽しみでわくわくする思いもあります。

フルカイテン スーパーサプライチェーン構想 適量生産・適量消費に貢献

フルカイテン スーパーサプライチェーン構想 適量生産・適量消費に貢献

 「世界の大量廃棄問題を解決する」。これこそが究極の〝人の役に立ち、笑顔にする〟事業だと考えています。23年7月から「在庫配分」「在庫分析」「補充発注」のソリューションごとに分けて販売する、マルチプロダクト化の営業をスタートし、販売を大きく伸ばしています。

【特集】消費者が学び、実践する場が増加(2023.06)

〈対談〉迫られる人権デューデリジェンスへの対応 日本繊維産業連盟 富吉賢一副会長×日本アパレル・ファッション産業協会 松尾憲久理事長

〈対談〉迫られる人権デューデリジェンスへの対応 日本繊維産業連盟 富吉賢一副会長×日本アパレル・ファッション産業協会 松尾憲久理事長

 日本繊維産業連盟(繊産連)は昨年、ILO(国際労働機関)駐日事務所と共同で「繊維産業における責任ある企業行動ガイドライン」(企業行動ガイドライン)を策定した。そこでは、国際的にも注目される「責任ある企業行動」(レスポンシブル・ビジネス・コンダクト=RBC)の重要性を提起している。RBCの中でも、昨今注目が高まる人権問題、特に労働問題に焦点を当てているのが特徴だ。

ラナ・プラザ倒壊事故から10年 服と着る人の関係を問う企画展「ファッションレボリューションジャパン」

ラナ・プラザ倒壊事故から10年 服と着る人の関係を問う企画展「ファッションレボリューションジャパン」

 13年4月24日にバングラデシュで発生したラナ・プラザの倒壊事故。ビルに入居していた縫製工場で働く1100人超が死亡し、負傷者は2500人を超えた。この悲劇を契機に始まったのが、ファッション産業の健全化を目指す世界的なキャンペーン「ファッションレボリューション」だ。日本の事務局を務めるファッションレボリューションジャパン(一般社団法人ユニステップスが運営)は東京・神宮前のジャイルギャラリーで6月29日まで、服と自然環境、服と作り手、服と着る人の関係を見つめる展示「トゥー・ディケイズ・オブ・ヒドゥン・ファッション」を開催している。

6ブランドが合同でリペアイベント パタゴニア日本支社 平田健夫氏に聞く

6ブランドが合同でリペアイベント パタゴニア日本支社 平田健夫氏に聞く

 渋谷・原宿エリアにショップを構える六つのブランドが5月19~21日、合同でリペアイベント「ドゥ・リペアーズ」を開催した。参加したのはアウトドアブランド中心で、「パタゴニア」「ザ・ノース・フェイス」「フライターグ」「ヘリーハンセン」「アークテリクス」「ミステリーランチ」。競合同士がなぜ手を組み、どう実現したか。イベントの推進メンバーの一人、パタゴニア日本支社の平田健夫サーキュラリティディレクターに聞いた。

環境、人権課題との向き合い方 モノだけでなく〝ストーリー〟を見る視点を

環境、人権課題との向き合い方 モノだけでなく〝ストーリー〟を見る視点を

 SDGs(持続可能な開発目標)のゴールラインが近づくにつれて、環境保全や人権尊重の意識は国際社会でますます高まってきた。企業には環境、人権に関わる諸課題に取り組むことが要求されている。その上で重要なのはトレーサビリティー(履歴管理)とサプライチェーンの管理。繊維産業におけるサステイナビリティーの国際動向に詳しい稲垣貢哉さん(米NPOテキスタイルエクスチェンジ・アジア地区アンバサダー)によると、企業のなかでこうした管理業務を担っているのは品質管理担当者というケースが多いそうだ。国際的な流れと実務に関する心構えについて話してもらった。

【特集】グリーンウォッシュ回避を(2022.12)

グリーンウォッシュ回避を カケンテストセンター・志賀聖氏に聞く

グリーンウォッシュ回避を カケンテストセンター・志賀聖氏に聞く

 欧州委員会は今春、循環型経済に関する政策パッケージの一環として、持続可能な循環型繊維製品戦略を発表した。日本では環境省が環境主張を行う事業者などに対して「環境表示ガイドライン」を策定し、その順守を求めている。海外市場に対応するうえで〝グリーンウォッシュ〟(※1)を避けることは不可欠となっている。カケンテストセンターの国際部グローバルテクニカルサポート室長で、ZDHC認定トレーニングプロバイダーの志賀聖氏に、国内外の現状と課題を聞いた。

欧米消費者の9割「服の買い方を変える」 “責任ある消費”移行も情報発信に課題

欧米消費者の9割「服の買い方を変える」 “責任ある消費”移行も情報発信に課題

 国際素材見本市を主催する仏プルミエール・ヴィジョン(PV)とIFM(フランスモード研究所)が今年、欧米5カ国(仏、独、伊、英、米)7000人に実施した「エコレスポンシブルファッションにおける新しい消費者行動」調査で、90%近くが服の買い方を変えるつもりであることが分かった。責任ある消費行動へのシフトは明らかで、今後その流れを本物にするには、サステイナブル(持続可能)な素材や製造方法の情報を効果的に発信し、理解を促すことが重要であることも示された。

重視されるトレーサビリティー 合繊分野で仕組み作りが進む

重視されるトレーサビリティー 合繊分野で仕組み作り進む

 企業活動とSDGs(持続可能な開発目標)は切り離せなくなった。繊維・ファッション業界も事業を通じ、環境や社会、人権に関わる諸問題に対応しようとする動きが活発だ。社会的な企業価値も上がり、株主など投資家からの評価にもつながることから情報発信にも力が入る。一方〝グリーンウォッシュ〟という言葉があるように、環境や社会に貢献しているような〝見せかけ〟の活動に対する社会の目もますます厳しい。トレーサビリティー(履歴管理)が重視されるようになってきたのもそのため。企業は自分たちの正当性を示さなくてはならない。その一環で、合繊分野では昨今トレーサビリティーの仕組み作りが強化されている。

「良いものを長く」 アウトドア企業で修理サービス、再販売が加速

「良いものを長く」 アウトドア企業で修理サービス、再販売が加速

 アウトドア企業を中心に、修理サービスの充実や、使用済み製品をリペアなどして再販売する動きが加速している。良いものを適切なケアで長く使い、着なくなったものは捨てずに別の人に譲ることを呼びかけ、消費者の行動変容を促す。

【特集】プラスチックとどう付き合う?(2022.6)

プラスチックとどう付き合う? ファッション企業ができること

プラスチックとどう付き合う? ファッション企業ができること

 この数年、海洋プラスチックごみ問題がG7、G20など主要国の首脳レベルで議論される重要な議題になっている。3月のUNEA5.2(第5回国連環境総会の再開セッション=ケニア)では、プラスチックに関する新しい国際枠組みについて、政府間交渉委員会を設立することが決議された。年内に交渉が始まり24年内の妥結を目指す。「環境関連の国際条約で妥結まで2年は極めて短い。プラスチックの問題がそれほど喫緊の課題だと世界で認識されている」(経済産業省)という。こうした国際動向に連動するように、産業界でもプラスチックの3R(リデュース、リユース、リサイクル)とリニューアブル(再生プラスチックや紙などの再生可能資源の利用)の取り組みが活発になってきた。各社の方針や具体的な施策を紹介する。

経済産業省産業技術環境局資源循環経済課課長 羽田由美子さん 資源循環への創意工夫促したい

経済産業省産業技術環境局資源循環経済課課長 羽田由美子さん 資源循環への創意工夫促したい

 今年4月、プラスチック資源循環促進法が施行された。プラスチック製品の設計から廃棄物の処理までの各段階で、3R+リニューアブルを促すための法律だ。プラスチックは私たちの日常生活はもちろん、あらゆる企業の事業活動にも欠かせない有限の資源。だからこそ無駄を減らし、有効利用を心がける意識改革が求められる。同法に基づくプラスチックとの新しい付き合い方を経済産業省に聞いた。

TCFD提言の賛同数、日本が最多 「増え方がやや不自然」その背景は?

TCFD提言の賛同数、日本が最多 「増え方がやや不自然」その背景は?

 「TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同数が日本ではやや不自然に増えている」。こう指摘するのは、検査、検証、試験、認証サービスを行うSGSジャパン(横浜市)の池原庸介ESGアドバイザリー・アドバイザー。TCFD提言に賛同している企業・機関数を国別に見ると、日本からの賛同数(特に非金融)が世界最多で、突出した存在となっている。その背景は何か、企業はTCFD提言とどう向き合い、対応していけばいいのか。

ESGって何? オウルズコンサルティンググループ プリンシパル大久保明日奈さんに聞く

ESGって何? オウルズコンサルティンググループ プリンシパル大久保明日奈さんに聞く

 最近よく耳にするESGとは何か? CSR(企業の社会的責任)、SDGs(持続可能な開発目標)などと類似した使われ方をされるが、どう違うのか。オウルズコンサルティンググループのプリンシパルの大久保明日奈さんに聞いた。

【特集】〝捨てずに使う〟が価値を生む(2021.12)

〝捨てずに使う〟が価値を生む

〝捨てずに使う〟が価値を生む

 世界のあらゆる産業界がSDGs(持続可能な開発目標)という共通のゴールを念頭に、サステイナブル(持続可能)な企業活動に取り組もうと本格的に踏み出している。ファッション業界も例外ではない。業界で関心の高い主要テーマの一つに資源循環がある。〝大量生産・大量廃棄〟が問題視されている業界なだけに、今より少しでも環境や社会への負荷を抑えようとする意識が高まってきたようだ。限りある資源を安易に捨てず、有効活用する取り組みがアパレルブランドや小売業で広がり始めている。

ファッション企業の調達実態調査 97%が環境・社会配慮品を販売

ファッション企業の調達実態調査 97%が環境・社会配慮品を販売

 繊研新聞社が認定NPO(非営利組織)のACE(エース)と共同で、繊維・ファッション企業を対象に実施した「サステイナブル(持続可能な)調達に関するアンケート」の結果によると、回答企業96社のうち93社が「人権や環境、社会に配慮した製品を企画・販売している」と答えた。リサイクル繊維やオーガニック原料の使用という回答が多かったほか、よりエシカル(倫理的な)とされるフェアトレード(公正取引)や寄付付き商品を扱う企業も2~3割程度は見られた。

「ヒグFEM」って何?

「ヒグFEM」って何? 認定トレーナーのボーケン・木村氏に聞く

 環境保全や人権保護の観点で、日本企業も商品のトレーサビリティー(履歴管理)に注意を払うようになってきた。グローバルブランドとの取引であれば、サプライチェーンのサステイナビリティー(持続可能性)に関する情報開示を強く求められる。そんななか近頃、国内メーカーや商社などが関心を寄せているのが、「ヒグFFEM」。国際団体のSAC(サステイナブル・アパレル連合)が開発した独自指標「ヒグ・インデックス」のうち、製造工程のサステイナビリティーを自己評価できるツールだ。今春、ヒグFEMの認定教育訓練機関となったボーケン品質評価機構の認定トレーナー、木村英司氏に同ツールの特徴や利用メリットを聞いた。

持続可能な業界へ団体発足相次ぐ

持続可能な業界へ団体発足相次ぐ 企業間“共創”で健全な発展に寄与

 繊維・ファッション産業のサステイナビリティー実現に向けた業界団体の発足が相次いでいる。業界の複雑なサプライチェーンの構造改革を企業間連携を通じた〝共創〟で推進し、産業全体の健全な発展に寄与する。

【特集】無駄なく作り責任持って売り切る(2021.6)

無駄なく作り責任持って売り切る ファッション商品の廃棄を減らすために

 大量生産・大量廃棄が問題視される繊維・ファッション産業。消費低迷やコロナ禍を経て、従来のビジネスモデルからの脱却しようとする機運が高まってきた。無駄な物を作らない、作ったものを最後まで売り切るためのソリューションとして、EC・店舗の在庫問題解決クラウドサービスのフルカイテンと、オフプライス業態で在庫削減・廃棄ロスに取り組むアンドブリッジの取り組みを聞いた。

活発化するDtoCビジネス こだわりの商品、適正量を作り、適正価格で売る

 昨今注目されるDtoC(メーカー直販)は、ECを主販路に、強いつながりを持つ顧客に適正な価格で販売するビジネス。アパレルメーカーや商社、OEM(相手先ブランドによる生産)企業など、様々な業種から参入が活発化している。低価格競争や店舗の出店拡大競争とは一線を画し、大量の在庫を持たないビジネスモデルとしても注目されている。新しいブランドの形のため、企業により独自の指標や運営をしているのも興味深い。

アディダス キノコ由来の疑似レザーで靴開発

 アディダスが、キノコの菌糸体から生まれた新素材「マイロ」を採用したフットウェアを発表した。マイロは再生可能な菌糸体からできたレザーのような素材。「プラスチック廃棄物の削減」を目指すアディダスにとっては、その実現に向けて大きな一歩を踏み出す。

【特集】持続可能な繊維・ファッション産業へ(2020.11)

国際認証やラベル、プログラム、枠組みを知ろう

国際認証やラベル、プログラム、枠組みを知ろう

 地球や社会の持続可能性への取り組みが、あらゆる分野で盛り上がりを見せている。繊維・ファッション産業でも、地球環境や人権・社会に配慮した製品やサプライチェーンに関する認証への参加やラベル取得への関心が高まっている。気候変動、サプライチェーンにおける環境や社会負荷低減のための取り組み、持続可能な素材の普及など、繊維・ファッション産業にかかわりの深い認証やプログラムを紹介する。

日本サステナブル・ラベル協会 山口真奈美代表理事に聞く

日本サステナブル・ラベル協会 山口真奈美代表理事に聞く

 私たちの身の回りには様々な認証やラベルがある。日本サステナブル・ラベル協会(JSL)は、国際認証ラベルを〝サステナブル・ラベル〟と総称し、ラベルの普及を通じて、持続可能でエシカル(倫理的)な生産、流通、消費を促進し、持続可能な社会の実現に貢献することを目的に17年に設立された。繊維・ファッション産業に関連の深いものでは、オーガニックテキスタイルの基準のGOTSやOCS、国際フェアトレード認証ラベル、FSC(森林管理協議会)認証などを扱う。

パタゴニア 企業活動通じて地球環境を守る 若者の参加増加に励まし

パタゴニア 企業活動通じて地球環境を守る 若者の参加増加に励まし

 「私の使命は、家族、従業員、地球上の人々の体と精神の健康、そして私たちの地球を守ること。そのために常に世界の動き、経済、人種問題を含む社会問題、環境破壊による気候変動に目を向ける。パタゴニアは北米のほかに、欧州、日本、オーストラリア、チリ、アルゼンチンに支社を持つが、今後も世界の地域で、気候を安定させるべくワイルドな自然、河川敷、土壌、安全な食とファイバー(綿)を守る活動をする」。パタゴニアワークスのライアン・ゲラードCEO(最高経営責任者)はこう話す。

21年春夏コレクション 意思表明を始めたデザイナーたち 具体的な取り組みを発信

21年春夏コレクション 意思表明を始めたデザイナーたち 具体的な取り組みを発信

  21年春夏デザイナーコレクションは、サステイナブルな取り組みを具体的に発信するデザイナーが増えた。生分解性ナイロンや再生デニム、ニットのアップサイクルなど素材の種類が増えただけでなく、サステイナブルな素材の使用割合を表明するブランドも出てきた。生産や流通のあり方を考え直したブランドもある。ファッションウィークは、クリエイションを発表するとともに、ブランドの考え方を伝える場に進化し始めている。

【ファッションとサステイナビリティー】News flash

【ファッションとサステイナビリティー】News flash

■無印良品 店内で給水サービスを提供

■オン 着色・漂白しないシューズ

■ザ・ノース・フェイス 製品修理の新たな可能性を探る

■マーモット 直営店で衣料品の回収を開始


<各企業の取り組み>

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【特集】コロナ禍だからこそ問われる本質(2020.7)

 気候変動や環境問題、人権問題、サプライチェーンの透明性、大量廃棄など多くの課題が指摘され、ファッション産業全体や個別企業・団体は課題解決のための策を打ってきた。ここへきて新型コロナウイルスの感染拡大が、経営にダメージを与えているが、こうした状況下だからこそ、持続可能性への取り組みが長期の視点で本質的に取り組まれているのかが問われるのではないだろうか。

「やさしいせいふく」プロジェクトのメンバー

都内の中高生による「やさしいせいふく」プロジェクトのメンバーに聞く

 若い世代の方が環境や社会問題に関心が高いといわれる。気候変動やSDGs(持続可能な開発目標)、貧困問題などを当たり前のように学ぶ世代は、洋服に対しても、物作りの裏側にある負の部分にも着目し始めている。問題視するだけでなく、自分たちの身の回りから解決しようと、自ら動き出す学生も出てきた。そのひとつが、「自然にやさしい」「人にやさしい」「世界にやさしい」の三つを理念に、「ありがとうと笑顔が生まれる服作りを世界中に浸透させることを最大の目的としたプロジェクト」としてスタートした「やさしいせいふくプロジェクト」(旧プロジェクト名「学生ブランド作っちゃおうぜ!」)。

「ベンベルグ」

《エコ素材って何?》使い続けられるものを選ぼう

 自然環境や社会との共生は企業活動の永遠のテーマだ。昨今ではSDGs(持続可能な開発目標)が世界で共有され、上場企業を中心に経営のマテリアリティー(重要課題)に掲げることは珍しくない。そんな中、アパレルメーカーや小売業が力を入れることの一つが、エコな商品開発だ。この間、素材メーカーが環境配慮素材の開発を一段と強化していることもあり、素材・加工の選択肢は一気に増えた。リサイクルされた素材や、植物由来の素材、土の中など自然環境中で分解される素材を使うなど、環境負荷を減らすためのアプローチの仕方は複数ある。企業姿勢やブランドのコンセプトに沿ったサステイナブル(持続可能)なやり方で環境や社会に対して価値の提供を続けることが肝要だ。


<各企業の取り組み>

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【特集】持続可能性が未来をつくるカギ(2019.12)

 気候変動や環境破壊、労働者の人権、動物の福祉、過多な在庫、大量廃棄など、ファッションビジネスを取り巻く課題が表面化している。各ブランドや事業はもちろん、経営の軸足として持続可能性は欠かせない視点となってきた。山積する課題を個別の事業や協業によりどう解決するかが、産業の未来を開くカギを握っている。

石川康晴ストライプインターナショナル社長

石川康晴ストライプインターナショナル社長に聞く 企業の対応が将来を分ける

 ブランドメッセージとして〝エシカル〟を掲げる「アースミュージック&エコロジー」をはじめ、企業単位でもサステイナブル(持続可能)な活動を強化しているストライプインターナショナル。19年度はSDGs(持続可能な開発目標)を経営戦略の一つに設定し、2月にはSDGs推進室も設けた。

スノーピークの本社内に置いたホールガーメント

アウトドア企業 循環型社会へ 取り組み本格化

 国内のアウトドアメーカーが、循環型社会の実現に向けた取り組みを本格化している。

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◇大量生産・消費から適量へ

ステークホルダーに聞く 新たな産業の近代化

 グローバルSPA(製造小売業)の席巻や少子化・消費不振などで苦境に立たされているアパレル業界。アパレルメーカーとタッグを組んでサプライチェーンを構成しているODM(相手先ブランドによる設計・生産)、縫製業、情報システムベンダーなどステークホルダーも行く末に危機感を持っている。大量生産・大量消費から適正生産へ――。デジタル技術により「見える化」し、生産各段階のロスをなくすことは急務だ。資源を無駄にしたり、地球環境に優しくない素材を使用することに、消費者の意識も敏感になってきた。悪習は改め、技術革新・近代化を図ることが生き残りにつながる。ステークホルダーに胸の内を語ってもらった。

平石公宣丸久社長

【丸久社長 平石公宣氏】オール日本で海外生産に対抗

 当社は、工場を持っている商社のような企業です。バングラデシュとタイにも工場を持っていますが、最近は日本の小売業向けが不振のため、海外を伸ばそうとしています。バングラデシュはH&Mとザラの拠点ですが、彼らの工場とは規模、仕組みが日本とはあまりに違い、今の日本では欧米に通用しないと痛感しています。

佐藤正樹佐藤繊維社長

【佐藤繊維社長 佐藤正樹氏】服廃棄やめて適正利益得る

 羊のしっぽや肉を切り取るミュールシングの問題で、ウールには動物虐待のイメージがついて、サステイナブルではないと思う人も増えました。本来、天然素材で再生可能なのに。私は、ニットでウールを再度、環境素材と認識させたいと考えています。

小谷理実アベイル社長

【アベイル社長 小谷理実氏】デジタル化で無駄の排除を

 長年アパレル生産現場のシステムを作ってきましたが、効率化や見える化などで評価されており、スタンダードなシステムだと自負しています。アパレルメーカーと縫製工場双方とお付き合いしていますが、サプライチェーンというなら、アパレルは工場を大切に考えた方がいい。信頼関係を強固にする必要があると思っています。

◆クリエイティブに環境・社会貢献

 欧州を発信源に、自然環境や人に優しい事業活動をより推進しようとする意識が高まっている。SDGs(持続可能な開発目標)の浸透も追い風になって、サステイナビリティー(持続可能性)の潮流は日本にも押し寄せている。ファッションビジネスにも、社会的な責任を果たし、かつクリエイティブに持続可能な事業活動を行う力が求められる。

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<各企業の取り組み>

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