「ロロ・ピアーナ」に伊ミラノ地裁が司法管理措置 下請けの労働搾取で

2025/08/18 06:25 更新NEW!


 【パリ=松井孝予通信員】伊ミラノ地裁は7月、LVMH傘下メゾン「ロロ・ピアーナ」に対し、1年間の司法管理措置を命じた。労働搾取が行われていた下請け先との取引を断ち切れなかった「組織的な怠慢」が理由で、同措置は企業を刑事責任から守る代わりに、再発防止を促す予防的措置とされる。

 報道によれば、同社が製造を委託した業者は、自社に生産設備を持たないまま再委託を繰り返し、最終的に中国系経営のアトリエが縫製を請け負っていた。現場では、不法滞在の中国人労働者が低賃金かつ衛生・安全基準を満たさない環境下で長時間労働を強いられていた。責任者とされる中国人とイタリア人の計4人が司法にかけられ、行政処分と併せて約24万ユーロの罰金が科された。2カ所の工場は操業停止となった。

 同様の措置は昨年、LVMH傘下「ディオール」の伊法人の一部門や、「アルマーニ」の製造部門にも適用され、いずれも中国系業者を含む下請け構造の中で法的基準を満たさない労働環境が指摘された。伊北部の産地では、こうした構造に対し当局の監視が強まっている。



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