スタイルズが運営するドレス主体のブランド「アローブ」は23年秋冬、湖面や水たまり、窓ガラスなどに反射した景色にインスピレーションを得た、幻想的な柄のドレスを軸に打ち出す。ドレスと共地で「リクエストが多くなっている」というスカートと、よりデイリーに着やすいブラウスもバリエーションで揃える。
オーガンディーの総刺繍のボウタイドレスは、水たまりに反射したたくさんの花がイメージソース。反転しているように花を配し、3色の糸が対になるように刺繍した。ほんのりサイケデリックに描かれた柄は、窓ガラスに映し出された木漏れ日をイメージした。陽の光がゆらゆらと揺れ、時の移ろいとともに変化する陰影や色彩を表現。ベストをドッキングしたようなドレスとシャツドレスがある。水面に広がる花のじゅうたんを思わせる、膨れ織りのピンクのドレスもロマンティックだ。そのほか、アウターとして、ナイロン100%の光沢あるコートや、シャギーのゆったりとしたシルエットのコートも出す。
よりオケージョン向けのフォーマルラインでは、定番の「パールシリーズ」でキーネックの隙間にパールを1粒あしらった膝丈のドレス、ジレにもなるノースリーブドレス、サテンのフリルを身頃に付けたノースリーブドレスを新作として追加した。
アローブは、18年春夏プレコレクションでデビュー。「日常から非日常まで様々なシーンになじむ」ドレスを中心に提案しており、オリジナリティーのあるデザインと客の需要を吸い上げて企画に反映する物作りに支持が高い。コロナ下で外出機会が減ったが、デイリーユースもできる点を強化し、デイリーライン、フォーマルラインともに好調。店舗がなく、認知もまだあまり高くないからこそ、「人とかぶりたくない」客を引き付けている。年間に約10回開いている期間限定店では、デザイナーの浦川輝美さんも接客する。