「イン」(印致聖)は8月19日、東京都港区の草月会館で、26年春夏のショーを行った。10周年を迎えて自身のクリエイションを見直し、新しい女性像を伝えるコレクションを見せた。
テーマは「日常への招待」。心地よい素材の質感、違和感を添えるカットとドレープを生かし、しなやかな女性らしさを表現した。透け感のある白のオフタートルネックのプルオーバーに黒のストレートスカート。その下に、光沢がかったロング丈スカートを重ねて深いバックスリットを入れる。リラックスムードをきりりと見せる一面を交えていく。スエードのタンクトップは、脇下を広く取って緩やかにラウンドカット。体と服の間に空間を作り、センシュアルな魅力を引き出す。

マスキュリンなワードローブを進化させたスタイルも特徴の一つ。テーラードジャケットの丈を膝上まで伸ばし、ショートパンツをセットアップ。縦に長いシルエットを出しつつ、直線的なコントラストを取り入れる。ハリのある薄手の生地を使ったトレンチコート型のドレス。日常着にフォーカスしながらも、造形性に富んだバッグをアクセントにした。

(須田渉美)