中国では、100日以上姿を消していた人気トップインフルエンサーの李佳琦がライブコマースに復活したニュースが話題だ。アリババが運営する淘宝ライブに9月20日に約2時間出演し、日用雑貨やスキンケア、下着など26アイテムで約26億円（1億2700万元）を売り上げ、視聴者は6300万人に達した。
彼は美容系のインフルエンサーで、1回のライブコマースで化粧品3億円を売り、「口紅王子」とも言われる。単なるインフルエンサー以上に、商品を熟知して説明しているのも人気の理由だ。3カ月を超える久しぶりの出演だったが影響度は健在。視聴者が商品の購入に至るのにも、商品説明への信頼とともにライブというエンターテインメントで心が躍り、物を買う流れがより強まっていることがよくわかる。
今年からアリババは決算説明に年間アクティブユーザー数を記さなくなった。単なる買い物ECサイトでは、客の流入は動画やライブ配信サイトに勝てない。
10月下旬からの最大の消費イベント〝ダブルイレブン〟を前に、人気の出演者が復活した。淘宝にとっては「抖音に押されていた不利な環境から改善する」一方で、「ますますライブコマースのプラットフォーム競争が激しくなる」との見方も出始めた。ダブルイレブン後にEC勢力図がどう変わっているのか注目だ。
