カゼプロ(東京)の古着EC「ザ・トーンコレクティブ」が注目だ。日本発でロンドンを拠点に活動するバンド「バービカンエステイト」のメンバーが現地で買い付けた英国古着が中心。ミュージシャンによるカルチャー目線の審美眼を生かし、品揃えを差別化している。10月6日まで東京・渋谷のミヤシタパークで期間限定店も開いている。
(高塩夏彦)
現地在住の強み
7年ほど前に結成されたバービカンエステイトは英米のアンダーグラウンドミュージック、オルタナティブロックなどに影響を受けた3人組バンドだ。活動の幅を広げるために英国へ渡った。衣装にもこだわりがあり、大量の古着を集めていたメンバーに目をつけたカゼプロが協業を持ちかけた。
「音楽や映画などに詳しいアーティストがセレクトした商品で、今の古着ブームとは一線を画す事業をやりたかった。現地に住んでいるため買い付けのアドバンテージも大きい」(カゼプロ)。25年12月に日本向け越境ECとして、ザ・トーンコレクティブを立ち上げた。

買い付けはローカルなフリーマーケットなどが中心。第2次世界大戦以前のビンテージから近年の物まで多彩だ。「英国は物を捨てない文化で古いアイテムも大切に保存されている。ポッシュ(上流階級)のマダムが服を売りに出すなど面白い事例も多い」(バービカンエステイト)という。

店頭で接客も
セレクトの視点も独特だ。グラムロックや60年代のローリングストーンズの衣装を思わせる派手な服、スローンレンジャー御用達の英国ブランドのビンテージなど、日本ではあまり見かけない商品が目立つ。戦時中の物資統制下に作られた服や、欧州各国の軍の制服など、古着好きに受けるアイテムも充実する。1点ごとに解説や買い付けの理由などのコメントを付けて、付加価値にしている。

期間限定店ではメンバー自ら店頭に立って接客する。商品は華やかな生地のドレスやブラウス、マニアックなミリタリー物やワークウェアなどを中心に品揃えした。
中心価格は2万~4万円。Tシャツなど1万円以下の値頃な物もある。購買客は日本人だけでなく、レトロな服を好むインバウンドも少なくない。

今後も英国での買い付け・販売を強化しつつ、日本での期間限定店を継続したい考え。関西など東京以外の地方での開催も検討している。
