アウトドア専門店のオレンジが手掛けるスパイス「ほりにし」が売れている。20種類以上のスパイスや調味料をブレンドし、和風テイストをベースにガーリックをアクセントにした万能調味料だ。今年9月に累計生産本数で100万本を突破した。
開発したのは、料理店で修業した経験を持つ同店社員。アウトドアに多くの調味料を持って行く煩わしさを解消するため、数年にわたる試行錯誤を経て完成させたという。
面白いのはその販売戦略だ。発売後2年間は、あえてアウトドアショップやキャンプ場など、対象客が出入りする場所のみで販売した。
加えて、ユニークなネーミングと、毛筆書体によるインパクトのあるラベルデザイン、肉や魚、野菜に卵など何にでも合う味への驚きから、SNSなどで話題が沸騰。希少性から、購入本数を限定する取扱店も現れた。
どこにでもある調味料が、めったに入手できない調味料として人気になる――。ほりにしのサクセスストーリーには、成熟した市場で新参者が勝ち残るノウハウが詰まっている。
(潤)