20年春夏NYコレクション 安らぎ、くつろぎへシフト

2019/09/12 06:30 更新


 【ニューヨーク=小笠原拓郎】20年春夏ニューヨーク・コレクションは、どこかリラックスしたムードが漂うコレクションが相次いでいる。前シーズンのビッグトレンドだった強い女性像よりも、エフォートレスやリラックスといった空気を取り入れたブランドが増えている。普段はセクシーを標榜(ひょうぼう)するブランドでも、この春夏は安らぎやくつろぎを強調している。

(写真=ブランド提供)

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 ノリータ地区にある中華料理店でアペリティフをしながら、招待客は案内を待つ。地下へと続く道を降りていくと、紫のライトがまばゆい駅のプラットホームが出現する。トム・フォードは、今は使われていない地下鉄の駅をショー会場に選んだ。狭いプラットホームの両端に椅子を並べたステージ、サイドをなでつけトップを立たせたヘアのモデルたちが階段の後ろから現れる。

トム・フォード

 トム・フォードらしいラグジュアリーな素材感のアイテムだが、どこかリラックスしたムードも感じさせる。上襟を立たせて着るテーラードジャケットは上質できれいな色。しかし、ブルマのようなショートパンツや薄いバスケットボールショーツと合わせるせいか、軽やかなムードに仕上がっている。大きくタックを入れたダッチサテンのマキシスカートも、トップは軽やかなTシャツだ。ギャザーを入れたサテンのサロペットは、キャップと合わせて飾らないムード。トム・フォードといえば、ラグジュアリーで官能的なスタイルが多かったが、今回はいつになく優しい雰囲気。メタリックな甲冑(かっちゅう)のようなブラトップでさえも、セクシュアリティーというよりエレガンスが先に立って見える。

トム・フォード

 イメージの背景にあったのは「アンディ・ウォーホルとイーディー・セジウィックがニューヨークのマンホールカバーから出てくる写真、リュック・ベッソンの映画サブウェイ、69年のイヴ・サンローランコレクションのクロード・ラランヌの甲冑のブラなど」。

トム・フォード

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