花の都パリのクリエイティブシーンに新たな活力が注ぎ込まれている。この動きを先導するのがパワフルなZ世代である。
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今でもパリはセーヌ川の右岸と左岸で分かれている。貴族的な右岸と「リヴ・ゴーシュ」と呼ばれる開放的な左岸である。しかし、パリの若者たちは右岸か左岸かを問わず、新しいアイデンティティを生み出している。
ソーシャルメディアから大きな影響を受け、フランスの伝統的スタイルや美的感性とアメリカ流ライフスタイルが融合しているのだ。
今回は最新パリ事情を探り、パリのZ世代を刺激する新たなインスピレーション、新たなクリエイティビティ、新たな注目スポットを紹介する。
新たなインスピレーション
パリの若者たちはストリートウェアとスケーターファッションに夢中だ。これらのカルチャーと関係を持つブランドは多大な影響力を持つ。パリ郊外でも同様の傾向が見られる。郊外暮らしのフォトグラファーDadoumはSupremeやAsicsの写真撮影を手がける。
基本的にパリジャンは内側からインスピレーションを探し求める。そのためパリは独特な雰囲気があるのだ。しかし最近では他の地域が活気づき、この大都市に刺激を与えている。例えば、マルセイユは新たなインスピレーションの宝庫である。特に新時代のデザイナーJacquemusやマルセイユ出身のラッパーJulがこの街への愛をアピールしている。
マルセイユにインスパイアされた「カゴール」もパリスタイルの一部になりつつある。「カゴール」とは2000年代風ファッションを好むセクシーな南部出身の女性を意味する。パリらしいクラシックなミニマリズムのトレンドとは対照的だが、Instagramが好きで新しい美的感性を求めるZ世代の共感を得ている。
新たなクリエイティビティ
クリエイティビティ溢れる最新スポットから新しいクリエイター集団まで、パリのクリエイティブシーンは大きく変化している。世界屈指の大手ファッションブランドが集結するパリでは、今まで新たなクリエイティブシーンが生まれるほどの余地はなかったが、Instagramにより状況が変わってきた。
新しいイベントスペースLa Paix Parisは、パリ中心地(Rue de la Paix)の裏道の駐車場に位置する。展覧会、ライブパフォーマンス、ファッションショーなどが開催される。料金が高くないのでZ世代のクリエイターにも手が届く。
Safe Place(@WeAreSafePlace)は、パリの若者たちが女性であることや自身の性について自由に話して経験を共有できる場所を提供する。
Z世代にとってサステナビリティは優先事項であり、ファッションにおいても上の世代よりもサステナブルであることを重視する。アップサイクルに力を入れるMarine Serreや新ブランドのBASSCOUTUR、使用済みの靴を持ち込むとストアクーポンと交換してくれるシューズデザイナーAmelie Pichardなど、Z世代の価値観を反映するブランドやクリエイターが活躍している。
新たな注目スポット
パリでは小さなバーやレストランから新たな食のトレンドが生まれている。このような場所はオーガニックワインとタパスのコンビネーションを提供する。特に10区、11区、20区に多く、パリの若者が集まるクリエイティブシーンの中心となっている。Les Deux Amis、Au grand Bain、Paperboyは、パリのZ世代のお気に入りスポットである。
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