シンガポール発「チャールズ&キース」 日本市場が急成長しているわけ

2023/03/17 11:00 更新


春夏のシーズンインとともにファッションショーを行いSNSの販促に力を入れる

 シンガポール発のレディスシューズ・バッグの「チャールズ&キース」を輸入販売するチャールズ&キースジャパンが好調だ。22年の売上高は、前年比約30%増の47億4000万円。ブランド認知が高まり、新規出店とともに店舗もECも同水準で伸びた。23年も出店を予定し、売上高は60億円を計画する。

 昨年は九州初の天神地下街店などを出し、直営店は合計14店となった。実店舗とECの売り上げは半々で、「都市部の好立地に出店し、ECで利益を高める」(青木洋明ゼネラルマネジャー)ビジネスモデルがうまく回転している。天神地下街店は計画を上回る売り上げとなり、九州でのECも大きく伸びた。実店舗による宣伝効果とともに、コロナ下でも「日本独自に身近なインフルエンサーによるSNSの販促を積み重ねたことが認知度向上につながった」ことが背景にある。世界でも「日本の成長は特例」という。

 新規出店は夏までに3店が決まり、このうち1店は初のアウトレット店だ。売り上げの拡大とともに本社スタッフも増え、渋谷から表参道の中心地へと本社の移転も予定する。中長期的には直営25店の運営を一つのめどにしており、25、26年には売上高80億円を目指している。

 購入層は20代から中高年層まで幅広く、靴とバッグの売り上げは半々だ。トレンド商品もベーシック商品も偏りなく売れ、昨秋冬はロングブーツが順調だった。客単価は1万円ほど。様々なスタイルが揃って身近に楽しめる価格帯を強みとし、昨夏にリニューアルしたルミネエスト店は月間売り上げが5000万円前後で推移する。

 本国でも、日本市場の急成長に期待を高めている。今年から「日本を中心にアジア全体のブランド強化を行う方針」。観光客の増加とともに、ブランドの存在感をアピールする旗艦店の開設も予定している。



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