ちょっと気になるデニムのホント

2015/06/15 06:13 更新


「ジーパン」は製品名ではありません。言葉の由来はGIパンツ

 定番素材ではあるが、誤解も多いデニム。そもそもデニムは、生地の名称。一般的には経糸に20番手以上の先染め糸、緯糸に経糸より細い未晒(さら)し糸を配し、綾織りした厚手の綿布を指す。

 インディゴ染料で染めたものが代表的だが、インディゴ以外で染めた糸を経糸に使ったカラーデニムもある。シャツに多用されるダンガリーもデニムの一種だ。ただし、糸の配置が逆で、経糸が未晒し糸、緯糸が色糸のため、デニムより白っぽく見えるのが特徴。

 一方、インディゴカラーを共通項に混同されがちなのが、シャンブレー。経糸が色糸、緯糸が晒し糸の平織物で、霜降りのような表情が特徴。そのほか、インディゴ染料の後染めや製品染めでデニムライクに仕上げた商品も、正確にはデニムでない。

 製品のことをデニムと誤るケースもしばしばだ。デニムの製品と言うならば、デニムパンツ、デニムジャケットというように、アイテム名の冠につけるのが正解。パンツは、英語でデニムを指すjeanを複数形にした〝ジーンズ〟。

 今ではあまり聞かれないが、〝ジーパン〟はというと、「ジーンズ・パンツ」ではなく、GIパンツから派生した和製英語という説が有力とされている。戦後、日本に駐留していたアメリカ兵が、government issue(官給品)、略してGIと呼ばれ、彼らのはいていたジーンズはGIパンツとされていたそう。00年にブームとなったGジャンは、その転用だ。

 デニムを使った商品につきものの〝オンス〟という言葉。厚さの単位と間違えられがちだが、表すのは1平方ヤード(0・84平方メートル)あたりの重さ。1オンスは約28・4グラムで、ジーンズでは、レギュラーを14オンス、10オンス以下をライトオンス、20オンス以上をヘビーオンスとするのが一般的。



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