「フィル・ザ・ビル」24年春夏 リゾート感あるアイテムでリラックス

2023/09/27 11:00 更新


 「フィル・ザ・ビル」は、デザイナーの金田淳一が服飾専門学校を経て、生地屋や内装業などを経て12年秋冬に始めたブランドだ。ベーシックでクオリティーの高いアイテムを揃え、大手セレクトショップなどに卸している。

 24年春夏は、オリジナルテキスタイル、製品染めや刺繍といった手間を加えたアイテムのほか、リラックス感のあるリゾート風のアイテムが目立つ。毎回コレクションのテーマは明確には決めず、金田がインスピレーションを受けたものや、やりたいことを自由にアイテムに落とし込んでいる。

 ウィメンズは、シアーアイテムにオリジナリティーを出した。うっすら透ける天じくの長袖ボーダーTシャツ(税抜き1万9800円)は、製品で1点1点エアブラシでラインを描いた。前面と背面、袖でボーダーに微妙なずれが生まれ、その違和感に手作業の魅力がある。着丈の短いウェスタンシャツ(2万7500円)はオーガンディを使った。ウィメンズのアイテムだがメンズのバイヤーの反応も良いという。

1枚ずつエアブラシでペイントしたシアーTシャツ

 デニムのベスト(3万8500円)とパンツ(4万2900円)のセットアップは、ブラックデニムをブリーチしてホワイトにした。ステッチの色残りやブリーチのむらで奥行きを感じさせる。ベストの裾をフリンジにしたり、シンチバックを付けてシルエットを調節できるようにしたりとディテールを工夫した。

 メンズは、前シーズンに続く「アローン」との共作でアロハシャツ(4万1800円)とショーツ(2万8600円)を用意。オリジナルのヒトデのように見える植物柄で、ゆったりとしたシルエットだ。そのほか、襟とポケットにブランケットステッチ、背面に馬の刺繍が入ったオープンカラーシャツ(4万9500円)などもある。

 オリジナルのメキシカンパーカの素材を使ったストライプのジャケット(5万1700円)やバッグ(1万9800円)、パイル地のアロハ柄のTシャツ(3万800円)やショーツ(2万6400円)などリゾート感のあるアイテムも揃えた。どちらも速乾性に優れ、ビーチでの使用もできそう。

オリジナルで製作したメキシカンパーカの素材を使ったシャツとパンツ

 14年にウィメンズをスタートして以降、ユニセックスラインの割合も増やしている。可愛らしい人魚の刺繍が入ったスーベニアスカジャン(10万7800円)や、ウェスタン風にアレンジしたトラックパンツ(3万5200円)などがある。ウィメンズでメンズアイテムを着用させるなど、ユニセックスの着こなしも提案する。



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