カポックジャパン(大阪府吹田市)は、インドネシアをはじめ東南アジアに生育する植物、カポックの繊維を100%使った中わた「ネオダウンカポックビヨンド」(ビヨンド)を開発し、10月6日に都内で記者発表会を開いた。用途は衣料、寝具やペット用品などを想定し、30年には300トンの量産化を目指す。
同社によると、カポック繊維100%でかさ高性のある中わたは世界で初めて。これまで、超軽量で温かいカポック繊維を訴求してきた。昨年2月には素材見本市のミラノウニカに初出展し、「中わたを作れないかとの声が多かった」(深井喜翔代表)。カポック繊維100%でわたの状態にするのは困難とされている。繊維は1~3センチほどと短く真っすぐで、表面に油分があり繊維同士が絡まらない。そこで、3D構造で羽毛と同等のかさ高を実現する独自加工技術(特許出願中)を確立した。技術は食品用添加物などの輸出入と国内販売、研究開発を手掛ける三晶(大阪市)と協力した。ビヨンドの製造機械は梶製作所(石川県かほく市)が開発した。

ビヨンドはカポック繊維の原綿に比べて3倍に膨らみ、保温性は羽毛の約97%に相当する。吸放湿性や温調機能性、抗菌性にも優れる。カポックは木の実から採れる繊維が原料で、樹木を伐採する必要がなく、環境負荷を軽減できる。
深井代表は「新たな植物由来の中わたができた。脱炭素やインドネシアでカポックを育てる農家の安定収入の確保など、社会課題にも貢献できる」と意気込む。研究パートナーを募り、ブランドでの採用は来年以降を目標とする。
