エムファースト「トーナル」 きちんと感のある楽な服

2020/10/02 10:58 更新


 エムファーストのレディスキャリアブランド「トーナル」は20年秋冬、商品企画の発想を見直す。新型コロナウイルスに伴うテレワークなどの影響でターゲット層のライフスタイルが大きく変化しているためだ。会社はもちろん、家の中でも着回せる商品やスタイリング提案に力を入れる。

 「これまではジャケットのセットアップを中心に、職場できちんと見える服で売り上げを取ってきた。しかし今後は家でのウェブ会議なども前提に企画を考えないといけない」。秋物ではその発想を反映したブラウスとスカートのセットアップやワンピースを打ち出している。ポイントは素材とコーディネート。家で着ていても楽でリラックス感があるという視点で素材を選んだ。といっても仕事着として気持ちのスイッチが入るよう、あくまできちんと感や女性らしさのあるデザインにした。コーディネートアイテムではジャケットに加えて、ややゆったりしたシルエットでカジュアルに使えるブルゾンも提案する。

 秋物はどの品番も反応があるが、とくにバイカラーのアイテムが良い。ニュアンスの違いよりも、明らかに印象の変わる服が求められているようだ。ウェブ会議のためか、胸元にデザインの入っている服も売れている。

 20年春夏商戦は、状況を見て夏物の仕入れを抑制したものの、ジャケットやオケージョン服が売れず、都心店が多いことも苦戦要因となった。特にキャリア向けなので、カジュアルブランドに比べて平日夜=仕事帰りの集客は今も鈍い。アウトレット含めて全13店舗あったが、今期中に4店を退店する。販路別では駅ビルに比べて百貨店の店舗が苦戦している。

 一方、自社ECは好調で、9月の売上高は倍増の見込みだ。ブランドイメージの打ち出しや、売れ筋傾向をつかむ先行受注の場としても強化する。

家の中でも着回せる商品やスタイリング提案に力を入れる


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