16年春夏・東京コレクション6

2015/10/22 07:26 更新


 コンサバなイメージになりがちな大人の女性向けブランドが、時代のムードを取り入れたショーで、新しい一面を見せようとしている。天津憂がデザインする「ハナエモリ・マニュスクリ」などとともに、新しい大人の東京エレガンスのイメージを見せた。(五十君花実、赤間りか)

 

タエ・アシダ
タエ・アシダ

 タエ・アシダ(芦田多恵)が、モダンなイメージを探っている。今回は、渋谷慶一郎のライブをバックにショーを行った。渋谷は、ボーカロイドの初音ミクのオペラなどを手掛けて注目を集めている気鋭の現代音楽家だ。ステージ奥に置かれたピアノの横で渋谷がパソコンを操作し、大音量の電子音をホールに響かせる。

 そこに現れるのは、鮮やかなメッシュ調の生地を使ったスポーティーなドレスやプルオーバーのルック。電子音にピアノが重なり、マルチボーダー柄やスモッキングディテールで70年代の気分を取り入れたアイテムにつながる。もちろん、グレンチェックのスーツやカクテルドレスなど、ブランドらしいコンサバなスタイルもあるが、上質なイメージを保ちつつ、挑戦していこうという意思を感じる。

 

ヒロココシノ
ヒロココシノ

 ヒロココシノ(コシノヒロコ)はアートの展覧会を思わせるコレクションを見せた。コラージュしたような柄のミックス、カットワークやスカラップのラインで、ドレスやレイヤードスタイルを作る。柄は様々な花や葉をシュールなイメージで表現したもので、絵画を身にまとう感覚だ。といってもシルエットは柔らかで、ふわふわとした布の動きもポイントになる。アイテム一つひとつはトレンドを感じさせるもの。

 

ユキ・トリイ
ユキ・トリイ

 ユキ・トリイ(鳥居ユキ)は、いつものフレンチシックに軽さと透明感をのせた。さわやかなブルー、若草色などの春の風を感じる色や柄を、ワントーンコーディネートで都会的に見せる。今回のメーンは、画家の城戸真亜子さんとのコラボレーション。森や水辺、明るい光を描いた城戸さんの絵が、ふわりとしたチュニックに乗ったり、パターン柄のスカートになったり。たっぷりの布を使った深いブルーのドレスは、日が暮れた時間の森のように神秘的だ。

続きは繊研新聞で



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