《めてみみ》豊かなる冷凍食品

2023/05/23 06:24 更新


 冷凍食品市場がコロナ禍を機に活況だ。これまでの中食需要と異なるのは名店と呼ばれる飲食店など、高級食品の需要の高まりにある。足を運べなくても、変わらない味が再現できると百貨店の食品売り場で人気だ。

 松屋銀座本店は22年8月末に自社運営の常設売り場「ギンザ・フローズン・グルメ」を開設した。オープン以降、想定の2~3倍のペースで売り上げを伸ばす。大丸松坂屋百貨店は5月16日、冷凍食品を宅配するサブスクリプション(定額制)サービスを始めた。コロナ下も長期保存でき、食品ロスが起こりにくいため、さらに冷凍食品の人気が高まった。

 食品宅配サービスも急成長し、共働き世帯などを中心に今後もニーズは高まる見通しだ。これまで冷凍食品は「手抜き」「なんとなく健康によくない」というマイナスイメージがあったが、冷凍技術が進化し鮮度や食味を損なわずに解凍が可能になった。

 コロナ下を通じた消費者の価値観、購買行動の変化が新しい市場を創出した。大丸松坂屋のサブスクはファッション、コスメに続いての参入となった。今後、サービスを提供する軸は「お客様の生活のサポートでなく、人生の豊かさがベースとなる」(澤田太郎大丸松坂屋百貨店社長)という。百貨店の顧客接点は店舗、デジタルともに人であることに変わりない。



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