上海は6月半ばを過ぎてから梅雨に入り、大雨が降る日も例年より多かった。しかし明日から晴れが続く見込みで、いよいよ夏到来となりそうだ。
一方、中国経済は長い不調が続き、良い話題を探すのに苦労するほど。そんな中で明るいのはスポーツ自転車だとされる。ラン、ヨガなど健康志向が拡大し、高額なロードバイクに乗る人が増えた。実際にヘルメットをかぶってスポーツバイクで走る姿が以前に増して目立つ。自転車ブランド店に中学生や高校生が大勢集まる光景も見かける。
ただ、ロードバイクは20万～100万円と高額。それだけ出費できる余裕が上海の中間層にできたということだろうが、今後の経済成長率を考えれば、給与が劇的に伸びるわけはなく、日常生活のどこかで相応に支出を絞る。
こんな影響がアパレル消費にも反映し、質の良さそうな手頃な商品をネットで購入する傾向が強まっている。ビジネス面では1回当たりの発注量が減り、新規取引の開拓より既存との価格交渉が増えた。展示会などに大手小売りバイヤーはほぼ来ないようで、新商談で結果が表れない状況だ。
EC小売りをターゲットに伸びていた内販も頭打ちの今、中国の中小の生産現場では、再びベトナムなどASEAN（東南アジア諸国連合）進出熱が高まっている。何とか輸出量を増やしたい思惑もあるようだ。
