5月下旬に米ラスベガスで開催された「エンハンスト・ゲームズ」が話題になった。オリンピックで禁止されているアナボリックステロイドや成長ホルモンなどの使用を解禁したスポーツ大会だったからだ。批判もあったが、肉体を薬物で「エンハンス」(強化)すれば記録がどこまで伸びるかにも注目が集まった。
第1回に出場した42人の選手のモチベーションは賞金だろう。優勝賞金は25万ドルで、世界陸上の7万ドルをはるかに上回る。世界記録を更新すればさらに100万ドルのボーナスが出る。今大会ではギリシャの水泳選手が唯一世界新で勝ち、約2億円を手にした。
選手が使う薬物は、本来は病気治療のために開発されたもの。だから医師の処方があれば誰でも入手できるし、美容目的で販売するクリニックが日本でも増えているという。
ドーピング公認の大会で薬物の効果が伝われば、体力アップや若返り目的で気軽に使う人が増え、市場規模が拡大する。エンハンスト・ゲームズの主催者はそう訴え、投資家の出資を募ったらしい。ただ、ステロイドや成長ホルモンの常用は肝臓障害や心疾患につながる。
調べた限り、現時点の医学で、副作用のリスクを完全に抑え込むのは不可能のようだ。少なくともアンチエイジングを望む一般人が、ファッション感覚で薬物を使うのは違う気がする。
