上質で希少性が高く「繊維の宝石」とも言われてきた「シーアイランドコットン」(海島綿)。気候変動や経済環境の激変に伴い、安定的な供給体制の維持が重要になっている。今年、日本支部設立50周年を迎えた西印度諸島海島綿協会では、ブランディングやジャマイカでの栽培支援などに力を入れている。
一般的に高級と言われる超長綿は全綿花の1.7%の収穫量だ。中でもカリブ海地域で産出される海島綿は、全綿花の0.01%と希少性の高さが際立つ。主要生産国であるジャマイカは、気候の不安定化やコスト高騰のため綿花農家の新規参入や栽培面積の拡大が難しい。そのため、日本主導のプロジェクトで生産者支援を強化している。
5年前に協同組合から一般社団法人に組織変更した同協会では、商標管理事業、ブランディング事業によるブランド価値と認知度向上に努めてきた。その結果、日本ではバブル期をピークに販売が減少していたが、ここ数年はインバウンド需要が増加し、東アジアでのブランド力が高まってきた。さらには欧州での需要も拡大しており、調達競争も激化している。
取材先でも、海島綿を使用するブランドを見かけるようになった。今後も新たなファンを獲得し続けるために、希少性という付加価値と、トレーサビリティー(履歴管理)の明確さが大きな強みになるだろう。
