9月中旬に都内の服飾専門学校を訪れた際、服を学ぶことと、作り手として社会に出ることの距離が短くなっていると聞いた。雑誌や店舗に加えて、SNSを通じて世界中の表現に触れ、今いる場所から作品を発信するようになった。在学中から衣装制作を請け負ったり、自ら作品を販売する学生が増えている。
三越伊勢丹はアップサイクルプロジェクト「ピースdeミライ」の一環で、ファッションを学ぶ学生が提供素材を使って作品を制作し発表する「三越伊勢丹ミライアワード」を実施する。過去2回はユーズドデニムを使い、今回は東レの人工皮革「ウルトラスエード」の端材を使った。
製造過程で色むらなどが生じ、市場に出ない素材があるという話をきっかけに、東レとの接点が生まれた。担当者は「完成したブランドや商品を紹介するだけでなく、若い作り手と社会との接点を作ることも、ファッションを発信する百貨店の役割」という。
エスモード・東京校、東京モード学園、文化服装学院の389件の応募から、各校での選考を経て21作品が制作に進んだ。作品は伊勢丹新宿本店のウィンドーに10月7~27日に展示する。審査員を務めた皆川明氏は「デザインの意図や素材の生かし方、制作過程を直接聞くことができた。将来のクリエイターとして活躍していく支えになれば」とエールを送った。
