韓国のメンズ・ウィメンズブランド「サージェリー」は25年春夏、パッチワークやステッチ、スラッシュになるジップ使いで、傷や傷痕を表現したディテールのアイテムが特徴だ。「人生のプロセスと重ね合わせた」というブランドらしい皮肉を織り交ぜたデザインがキャッチーで面白い。
ベースはリメイク、カスタム、パンク、テックなどの要素を取り入れたストリートウェア。今シーズンはデニムジャケット、レザージャケット、Tシャツなど、スタンダードアイテムにひと手間加えたものが揃う。
傷に見立てて、ショルダーラインから胸のあたりに向かって長いジップをあしらったレザージャケット。Tシャツを横向きにつなぎ合わせて、元のTシャツの襟元と袖の両方から手を通せるようにしたトップ。付いた傷、それを修復しようとした痕などを、デザインとして昇華している。
象徴的なのは、受注生産でオーダーを受け付ける一点物のデニムジャケットとデニムで作ったMA-1だ。濃淡の異なるデニム生地をパッチワークし、ダメージ加工や縫合したようなステッチを重ねて、ハンドメイド感のある仕上がりにした。傷を完璧に直す、隠すのではなく、とりあえず絆創膏(ばんそうこう)を貼って傷も引っ提げて歩んでいく。そんな生き方を感じさせた。
ブランドは19年にCEO(最高経営責任者)兼デザイナーのキム・ソジュンさんがスタート。日本へは24年春夏に進出し、ゾゾタウンなどで販売している。