東京ブランドの25年春夏企画で、素材の質感を主役にしたシンプルなドレスが目を引いた。全体として、ドレスは減っているものの、生地をたっぷりと使ったシルエットには、シャツやブラウスにはないエレガントな魅力が備わる。ディテールをそぎ落とし、軽やかに着用できるスタイルが提案されている。
（須田渉美）
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ギャザーを生かして
着眼点の一つは、ギャザーディテールを生かしたドレッシーな魅力だ。「サイ」（日高久代）は、光沢の美しいシルクサテンをぜいたくに使って、フェミニンな趣のあるドレスやブラウスを作った。サンドベージュ、ダークネイビーの柔らかな色みが、女性らしいエレガンスを感じさせる。ドレスは、バストの上部に入った細かなギャザーの切り替えがアクセサリーのように映える。ボリュームを抑えたパフスリーブで可愛らしさも添えつつ、ハイネック仕様で襟元をすっきりとさせて、気品のある雰囲気で見せた。
ジャージーウェアを多彩に見せる「コグ」（イマエダノリコ）は、リネン混ポリエステルのカルゼ組織のジャージーを生かし、量感のあるオーバーオールを作った。キャミソール仕様のストラップ、バストに沿って切り替えたギャザーのディテールでフェミニンな表情で、ドレスのように見える。軽やかで柔らかな肌触りと引き締まった表情と光沢感で、品のある印象に仕上げた。
