《視点》好きを続けられる職場

2023/03/02 06:23 更新


 劇団四季の衣装スタッフの人事担当者に話を聞く機会があった。外注が多いものの、大勢の役者の衣装の補整、破損時の補修、演出や役に合わせたリメイクなど、ミシンを使えることは採用時の基本条件。一方で美大や4大出身者も採用し、適材適所の人員配置を行っているそうだ。

 新作の衣装の企画から手掛けることもあり、発想力の優れた人にはデザインを、パターンがうまい人にはパターンを、美大出身で色に強い人には色の選定を任せ、「秀でたところがあれば伸ばす方針」。得意を生かす採用と配置を行いつつ、人を育てる観点から3カ月から半年ごとに担当を変更。様々な演目を経験し、幅広いメンテナンス技術を習得し、劇団全体の理解につながるように配置しているという。

 新卒を含め毎年10人前後を定期採用しており、服飾専門学校でも人気の就職先。だが、魅力的な職場なのに悩みもある。コロナで感染者が出た舞台は出演者を総入れ替えし、翌日までに全員の衣装のサイズ調整を行うなど、仕事のハードさだ。「つらさが好きを上回り、辞める人も多い」そうだ。

 「定期採用で人を増やし、好きな舞台の仕事を若い人が続けやすい環境を作りたい」との言葉に共感。観客に生きる喜びを届ける素敵な職場を守ってほしいと願っている。

(陽)



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