漫画熱高まる10月のニューヨーク(杉本佳子)

2026/10/16 06:00 更新NEW!


ブルックリン美術館 ちばてつや

 この10月、ニューヨークは日本の漫画の注目度が一段と高まっている。ブルックリン美術館では3日、「アート・オブ・マンガ」展が始まった。展示されている600点はすべて、漫画家か漫画家のエステートが所有しているものだ。

≫≫杉本佳子の過去のレポートはこちらから

 一方、クリスティーズでは、日本のアニメや漫画に特化したオークション「Anime Starts Here: Japanese Subculture Reimagines Tradition」が今年3月に続き、この10月も開催されている。出品数は約130。プレビュー展示されている時期は、ニューヨークのコミコンともぴったり重なった。

クリスティーズのプレビュー展示から

 アート・オブ・マンガ展は、葛飾北斎、河鍋曉斎、歌川国芳、喜多川歌麿なども漫画として含んでいる。江戸時代に絵本が広がったことも紹介している。

ブルックリン美術館 河鍋曉斎

 それ以外は80年代以降の大人を対象とした漫画に絞り、赤塚不二夫、ちばてつやから高橋留美子、ヤマザキマリなど10人の漫画家に焦点を当てた。

ブルックリン美術館 赤塚不二夫のもーれつア太郎外伝

 輪転機の映像も見せ、1時間で150万ページを印刷できる、ピーク時の1995年には週刊少年ジャンプは653万部刊行されていたなどの情報も提供している。

 展覧会場の一角には、紀伊國屋書店と組んだコーナーが設置され、座って漫画を自由に読めるようになっている。

ブルックリン美術館 本読みコーナー

 ミュージアムショップの前にはカプセルトイのガチャガチャをずらりと並べた。つい買ってしまう人が多いだろうな、人気出そうだなと思った。

ブルックリン美術館 カプセルトイのコーナー

 原画を間近で見られるのは非常に貴重な機会だ。一方で、どの漫画家を選ぶかは、そのキュレーターの主観が非常に入ると実感した。ゲイカルチャーをテーマにした田亀源五郎の「弟の夫」は、時代の変化を感じさせるとともに、ブルックリン美術館らしいチョイスと言えるだろう。講談社が2023年5月に始めた公式グローバル漫画アプリ「K MANGA」も紹介し、デジタルが漫画に与えている影響にも触れた。

 「そういえば、手塚治虫がない!火の鳥がない!鉄腕アトムがない!」と思ってキュレーターに聞いたら、2028年が手塚治虫生誕100周年で、それに向けて他の美術館がいろいろ予定していることがあるので邪魔したくなかったとの答えが帰ってきた。他にも「巨人の星」「ベルサイユのばら」「美味しんぼ」「動物のお医者さん」などなど、「あれがない!」「そういえば水木しげるは?」など、人によって思い浮かぶ漫画と漫画家はかなり違うだろう。そんなことをおしゃべりしながら観るのも楽しい。アート・オブ・マンガ展は来年1月31日まで開催している。

≫≫杉本佳子の過去のレポートはこちらから

89年秋以来、繊研新聞ニューヨーク通信員としてファッション、ファッションビジネス、小売ビジネスについて執筆してきました。2013 年春に始めたダイエットで20代の頃の体重に落とし、美容食の研究も開始。でも知的好奇心が邪魔をして(!?)つい夜更かししてしまい、美肌効果のほどはビミョウ。そんな私の食指が動いたネタを、ランダムに紹介していきます。また、美容食の研究も始めました(ブログはこちらからどうぞ)



この記事に関連する記事