ベトナムにおける繊維のサプライチェーンが中東情勢に揺さぶられている。同国の産業は元々中東産の原油に依存しており、「石油化学産業が発展途上のため、石化製品の大半が輸入依存」(日本貿易振興機構=ジェトロ)とされる。このため、繊維産業のサプライチェーンも各段階で原材料不足や原燃料、輸送費などの上昇といった懸念に見舞われている。
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服飾副資材の卸やアパレルOEM(相手先ブランドによる生産)などを主力とする企業は、中東情勢の悪化に伴い「梱包(こんぽう)用のビニール資材などは仕入れ値を2~3割程度上げる要請が届いている」と話す。このほか、ローカルスタッフの主な移動手段であるバイクについて「燃料の購入制限や、給油するにも2時間待ち」とも。別の副資材関係者によると「資材の価格が日々変動し、供給停止になる可能性も高まっている」とし、ある商社は「供給が不足しそうな資材をかき集めている」という。これまでベトナムでの現地調達化を進めてきただけに、供給不安が広がりそうだ。
ジェトロによると、ベトナムの石油備蓄は企業の義務備蓄(防災目的の備蓄)も合わせると30日分程度だが、国家の戦略備蓄は7日分という。同国政府は日本や韓国、ロシアなど各国に要請し、足元の原料・燃油の確保と中期的なエネルギーの開発および輸入構造の転換に向けて努めている。とはいえ、中東情勢の悪化が長引けば影響は避けられそうにない。