イタリアのクラシックを背景にしたブランドは、１６年春夏コレクションで、上質な素材はそのままにリラックス感やちょっとした遊び心を感じさせるレディスを見せた。（ミラノ＝高橋恵通信員）
「ブルネロ・クチネリ」は、２０年代の北欧マリンルック、日本やインドに着想を得たディテール、タキシードスタイル、テニスセーターなど、時代とスタイルをミックスする。エレガントな大人のスポーティースタイルを強調したコレクションだ。ホワイト、エクリュ、バター、サンドカラーなど、白を基調としたグラデーションを、黒のボーダーで引き締める。
パンツは八分の七丈が主流。日本からインスピレーションを得たというオーバーサイズのパンツなど、シルエットは全体的にゆったりめ。表面にラフな風合いのあるヘンプや麻、コットンのファー風ニットなど、素材から開発するブランドらしく、上質で新鮮な素材が際立つ。メンズライクなピンストライプは、マイクロスパンコールやボールチェーンの刺繍で表現。タキシードの袖口からは繊細なレースがのぞく。リラックス感を出しながらもラグジュアリーな女性らしさを漂わせている。
ブルネロ・クチネリ
１５年秋冬からニットのトータルルックを本格展開している「クルチアーニ」は、７０年代のポルトフィーノがテーマ。きれいな色の柔らかなシルクカシミアニットや、編み地で透け感や動きを出したボーダーのフリンジ付きワンピースなど、リッチでリラックス感あふれるコレクションとなっている。元気なマルチボーダーのフレアスカートも。大人の女性のほど良い遊び心を満たすリアルクローズだ。
クルチアーニ
