「第9回ファッションECアワード」受賞企業 多チャネルをつなぐ構成力に評価

2026/06/05 06:00 更新NEW!


 繊研新聞社による「第9回ファッションECアワード」のエクセレント賞受賞サイトは、先進的OMO(オンラインとオフラインの融合)への取り組みと優れた構成力が評価された。多チャネルと連携し、メディアとしての役割も増すECサイトを、いかにUI・UX(ユーザーインターフェイス・ユーザーエクスペリエンス)と両立させるか。その課題を高い水準でクリアしている。

 フォーカス賞は、ライフスタイル関連企業のサイトが受賞。LTV(顧客生涯価値)向上施策や、使用シーンを喚起する多彩なコンテンツが注目された。

 また今回は、エクセレント、サポートの各賞でファッション業界のデジタル推進への寄与を讃える殿堂入りサイト・サービスを選出した。これらの賞は、ファッション企業やITベンダー約100社からのアンケートを元に決定した。

エクセレント賞

アンドエスティ(受賞6回目で殿堂入り) オープン化の先進性が光る

 「アンドエスティ」は前身の「ドットエスティ」から数えて6度目の受賞で殿堂入りとなった。24年秋にスタートした社外のブランドも出店できるオープンモール化が順調で、26年2月期の流通総額は462億円、外部企業が流通総額に占める比率は2.7%から9.7%に伸びた。複数のポイントがためられるなど、利用者メリットの拡充も進めている。そうした先進的な姿勢を評価する声だけでなく、サイトの見やすさや機能性といった、純粋にECとしての質を評価する声も多かった。

アンドエスティ

ビームス公式オンラインストア コンテンツと利便性を両立

 「ビームス公式オンラインストア」(ビームス)は、豊富なコンテンツと実用性に定評がある。メルマガや特集記事、動画などを高頻度で更新し商品や店、働くスタッフ、出店する街の魅力も発信する。ユーザーの嗜好(しこう)に合わせたパーソナライズ提案も強めている。

 UI・UXが優れている点や顧客管理、実店舗と連動した施策を評価する声も多かった。2月にはリセールサービス「ビームス・ディグロー」も開始した。

ビームス公式オンラインストア

ユニクロオンラインストア 販売員のライブコマースが好評

 「ユニクロオンラインストア」(ユニクロ)は3年ぶり4度目の受賞だ。販売スタッフによるライブコマース「ライブステーション」は、感謝祭に合わせて配信を増やすなど視聴者数を大幅に伸ばしている。

 商品画像や動画の着用イメージのしやすさ、サイズ提案「マイサイズアシスト」やスタイリング投稿、レビュー機能など、情報量の多さと利便性の高さが評価された。OMO施策では、店舗在庫のリアルタイム連携やセルフレジ決済などに注目が集まった。

ユニクロオンラインストア

パルクローゼット スタッフ軸にした購買導線に評価

 「ユニクロオンラインストア」(ユニクロ)は3年ぶり4度目の受賞だ。販売スタッフによるライブコマース「ライブステーション」は、感謝祭に合わせて配信を増やすなど視聴者数を大幅に伸ばしている。

 商品画像や動画の着用イメージのしやすさ、サイズ提案「マイサイズアシスト」やスタイリング投稿、レビュー機能など、情報量の多さと利便性の高さが評価された。OMO施策では、店舗在庫のリアルタイム連携やセルフレジ決済などに注目が集まった。

社内インフルエンサーが活躍

フォーカス賞

テンシャル公式ECサイト 機能的で充実のギフトページ

 「テンシャル公式ECサイト」(テンシャル)は、疲労回復パジャマをうたう主力の「バクネ」シリーズのほか、ウェルネス関連アイテムを販売する。機能的かつ充実したギフトページが評価された。睡眠にまつわるイベントへの参加や限定コンテンツが見られる会員プログラム「テンシャルクラブ」も、ファン醸成のヒントとして注目されている。

テンシャル公式ECサイト

ロウヤ公式サイト 楽しく安心して家具購入

 EC発家具ブランド「ロウヤ」の「ロウヤ公式サイト」(ベガコーポレーション)は、ECで楽しく安心して家具を購入するための多彩なコンテンツや工夫が支持された。SNSと連動した豊富な動画や、UGC(ユーザー生成コンテンツ)、スタッフのインテリア実例集などだ。家具の配置を自宅でイメージできるAR(拡張現実)アプリもローンチしている。近年実店舗も増やして認知度が高まり、急成長している。

ロウヤ公式サイト

サポート賞

ビジュモ(受賞4回目で殿堂入り)、インサイトX 体験価値向上に支持

 26年ECアワードのサポート賞は、CX(顧客体験)を向上し、売り上げとLTVを高める二つのサービスが選ばれた。ビジュモが提供するビジュアルマーケティングプラットフォーム「ビジュモ」とインサイトXが提供するAI(人工知能)を活用したシェルフ型レコメンドソリューション「インサイトX」だ。ビジュモは3年連続、4回目の受賞で「殿堂入り」となった。

 サポート賞は導入して効果があった、あるいは今後導入したい支援サービスを選考する。ビジュモは貢献度で票を伸ばし、導入したいという票でも上乗せし、多くの評価を得た。SNSとの相性が良く、UGC(ユーザー生成コンテンツ)やスタッフ投稿などのコンテンツをECサイトやメディアサイトに集約できる。顧客が着用イメージをしやすいなど、PV数の改善、購買率の向上など具体的な貢献度の高さが目立つ。インスタグラムに加え、ユーチューブ、ティックトックの動画も簡単に取り込めるなどの改善も評価につながった。SNSを見るかのような見せ方など、機能の向上が進む。今後、グループ化したレビューマーケティングの「レビコ」との連携も期待される。

 初受賞のインサイトXは顧客のサイト内行動データをもとに、興味関心に沿った切り口のコンテンツを商品棚=シェルフにして可視化する。見たいもの、好きなものだけが一覧でサイトに表現されるため、新しい顧客体験の提供として、期待が高い。昨年より貢献度の票が増えており、導入から短期間で評価を得ているのがわかる。

 その他ではスタッフスタート、ユニサイズ、カルテ、アウー、リカスタマーなど過去に受賞したサービスも引き続き票を獲得した。注目はメゾンAI、スピードキット、スマートECなど。今後はサイトの使い勝手やCRM(顧客情報管理)などに加え、AIを使ったサービスがどう価値向上や売り上げ増に寄与するのかが注目される。

■アンケート協力企業

青山商事、AJIOKA.、AOKI、アーバンリサーチ、アインファーマシーズ、アクタス、アツギ、アンドエスティ、イトキン、ヴァンドームヤマダ、ウッディーハウス、エーアンドエス、エース、F・O・インターナショナル、エフ・ディ・シィ・プロダクツ、エンドレス、岡本、オ-センティックAI、河淳、川辺、キング、栗原、クロスプラス、グンゼ、コックス、コンコルディア、コンプレックス・ビズ・インターナショナル、サザビーリーグアウルスケープ、サックスバーホールディングス、三陽商会、しまむら、シップス、ジャヴァコーポレーション、JAMトレーディング、ジュニアー、ジュン、ジョイックスコーポレーション、ジンズ、スタージュエリー、スタック、スタイリングライフ・ホールディングスプラザスタイルカンパニー、そごう・西武、ダイアナ、ダイドーフォワード、大丸松坂屋百貨店、タカキュー、高島屋、タビオ、ダブルエー、チュチュアンナ、チヨダ、東京ソワール、TSI、ナガホリ、ナルミヤ・インターナショナル、ノーリーズ、ハニーズホールディングス、パル、パルコ、ハルメクホールディングス、はるやま商事、パレモ、バロックジャパンリミテッド、阪急阪神百貨店、ビームス、ヒロタ、ファーストリテイリング、ファイブフォックス、フィルム、フェスタリアホールディングス、ブランシェス、プリモ・ジャパン、プリンシプル、ブルーミング中西、プレイ・プロダクト・スタジオ、ベイクルーズ、マーキーズ、マークスタイラー、マッシュスタイルラボ、松屋、三井不動産、ミルク、ムーンバット、ヤプリ、山喜、ヤマトインターナショナル、ユナイテッドアローズ、リーガルコーポレーション、リカスタマー、リストリクト、良品計画、ルックホールディングス、ルミネ、レガリ、レリアン、ワークマン、ワールド、ワールドパーティー、ワコールホールディングス

=50音順

記念講演をリアル開催

 6月25日に「ファッションECサミット―第9回ファッションECアワード記念講演」としてセミナーをリアル会場とオンラインで開催します。詳細はこちらから。

関連キーワードファッションECアワード



この記事に関連する記事

このカテゴリーでよく読まれている記事