創業100年フォンタナ、社長に聞く

2015/03/31 06:39 更新


 ミケーレ・マッサ社長 伝統と品質を今に受け継ぐ

 今年創業100周年を迎えるイタリアの高級バッグ・レザーグッズメーカー、フォンタナの3代目社長。ラグジュアリーブランドと並ぶ20万円以上のバッグながら、世界で人気を増し、日本でも、バーニーズニューヨークが独占販売し、売り上げを伸ばしている。

 ――フォンタナの歴史は。

 1915年に伊フィレンツェで創業して以来、祖父から父、私が経営し、フィレンツェの最高級の職人によるハンドメードのバッグ作りを続けています。創業者から続く経営体制のため、ゆっくりと焦らずに物作りとビジネスが出来るので、派手なマーケティングや短期の利益を意識せず、最高級の品質を脈々と受け継ぐことができました。

 ――製品の特徴は。

 以前はラグジュアリーブランドの商品を生産していましたが、イタリア国内でも工場や職人が減り、本当に最高級のバッグを作るファクトリーが少なくなっていました。そこで、自社名を冠した「フォンタナ」ブランドを始めました。素材から100%イタリア製で、ハンドメードで作るバッグ・革小物です。

 私たちの特徴は、100年続けてきた歴史と物作りの積み重ね。ラグジュアリーブランドのような派手なデザインや宣伝をしても、〝らしく〟ない。私たちの商品はベーシックなレザーバッグですが、その分本当に長く、どんなトレンドにも合い、気づくといつも使っているバッグだと思います。それがフォンタナであればいい。

 ――販売が伸びている要因は。

 今ではビジネスのすべてがフォンタナブランドの生産です。フィレンツェには50人規模、ミラノには200人が働くオフィス・工場があり、生産が追いつかないほど人気になりました。しかし特別なことをしてきたわけではありません。昔はどこのメゾンもそうだったように、職人が歴史的に積み重ねてきたハンドメードの技術で、丁寧に誠意を持って作っているだけです。トレンドが素早く切り替わる時代だからこそ、そうした商品が新鮮に映るのではないでしょうか。

 もちろん時代とともに進化もします。日本ではバーニーズニューヨークと組んで、日本人に合うやや小さめのサイズのバッグや世界初の日本別注モデルなども出します。変わらぬ物作りと時代に合わせた改善を続けていきたいですね。



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