ファーストリテイリング財団は、明治学院大学で「難民子女のための学習支援教室」をメディア向けに公開した。日本在住の難民の小・中・高生を対象に、日本語および基礎学力の向上を図り、進学や就職の選択肢を広げるのが目的。16年から実施している。
日本国籍を持たない子供たちは義務教育がなく、日本語を向上する公的支援制度はない。経済的理由で民間の塾にも通えないことが多い。財団は、社会福祉法人さぽうと21、明治学院大学と支援教室を開いている。
明治学院大学で春と夏の休暇期間に集中学習支援教室や不定期の特別授業を行っている。このほか、都内などでの支援教室、オンラインでの学習支援教室を定期実施し、100人以上のボランティアが講師や運営スタッフとして協力している。現在、受講しているのは61人。12月4日の特別授業には、ミャンマー、エジプト、シリア、コンゴ国籍の小学1年~高校3年の31人が参加した。
柳井正財団理事長は、「難民問題は世界で最も深刻な問題の一つだ。小学校や中学校は未来を決める大事な時期。彼らが基礎教育をしっかり学べて、高校、大学進学を目指せる教育支援を財団として実施している」としている。