足元にグッチ効果:ソックス人気が再燃(WGSN)

2017/08/30 16:50 更新


ソックスの売り上げが拡大

「グッチ効果」ーーこの言葉は、同社のクリエイティブ・ディレクターにアレッサンドロ・ミケーレが就任して以来、幾度となく使われてきた。最近のシーズンでは、デニムからビンテージファッションにいたるまで、あらゆるアイテムにグッチの影響やグッチ的なデザインが感じられる。今、そうしたアイテムのリストに加わろうとしているのがソックスである。




WGSN Instockのリテール・データを見ると、アメリカの小売業界では、斬新なソックスが存在感を増していることがわかる。WGSN Instockチームによれば「アパレル全体の新商品発売数は前月比9.4%増、そのうちランジェリーが5.1%を占めており、それは5月初めから74.7%も増えたソックスによるもの」だと言う。

この夏、ソックスの需要がこれほど増えた理由は何か。贅沢でやや奇抜なスポーツウェアというグッチ・スタイルにインスパイアされ、フォーマルウェアに気まぐれな遊び心を加えるために、ヒールにいろいろな丈のソックスを合わせるようになったのである。

飾りや刺繍を多様するデザインは、今後のソックスブーツのトレンドとも呼応するもので、特に夜用の服を昼間に着るファッションで取り入れられる。


フランチェスコ・スコニャミリオのソックスブーツ


キャットウォークでのソックスブーツ人気は、ランウェイからハイストリートに飛び火し、ストリートファッションにも影響を及ぼしている。新鮮なのは重ね履きである。ポイントとなるのがフィッシュネットソックスだ。ダメージジーンズの下に履いたり、対照的なスポーツソックスと合わせたりする。透ける素材のソックスは、格子柄や大胆な文字デザインなど、とてもグラフィックなものになってきており、ストリートファッションにインパクトを与えている。 




1990年代の若者ファッションのトレンドにインスパイアされたフィッシュネットソックスは、ASOSやForever 21といったブランドが牽引する形で広がっており、全新着ソックスの5.7%を占める一方、遊び心溢れる斬新なデザインのものが13.6%を占めている。




しかし、それらはスタイリッシュなだけの機能性に欠けるものではない。このトレンドはアクティブウェア・ブームにも後押しされているからだ。昨今のスポーツシューズ・ブームがスポーツソックス需要を押し上げ、ソックス全体の流通量増加を支えている。




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