へラルボニー、パリから欧州展開スタート 初の海外展示会も開催

2024/10/04 10:59 更新


ル・マレのアートギャラリーで開かれた展示会

 【パリ=松井孝予通信員】障害者アートのへラルボニー(盛岡市)はパリに子会社ヘラルボニーヨーロッパを設立し、商品化を国際的に広めていく。パリ・ファッションウィークに合わせ、ル・マレ(3区)にある著名なアートギャラリー、クリスチャン・バーストで初の海外展示会「アーティストとへラルボニー」を開催し、最新のサテンシルクスカーフを発表した。

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 初日に会見が開かれ、松田崇弥へラルボニー共同CEO(最高経営責任者)による事業説明のほか、忍岡真理恵ヨーロッパCEOがフランスでの活動を説明し、企業とのライセンスによるBtoB(企業間取引)事業と自社ブランド展開を柱に据える。5月に受賞したLVMHイノベーションアワードを契機に、LVMHグループ傘下メゾンとの協業の可能性にも言及。将来的にはル・マレかいわいにショップ兼オフィスを開設する意向を示した。

 小林恵ヨーロッパCGO(最高事業成長責任者)は、欧州で出会った障害者アーティストたちの才能に感銘を受けたとし、「欧州でも障害のある作家が発展する機会が少ない。へラルボニーの日本での経験を生かしたい」と、作品発表の場を広げる意義を強調した。すでにドイツやベルギーの福祉施設とパートナー契約を結び、今後も提携を広げていく。

 会場のオーナーであるバースト氏は、アール・ブリュット(生の芸術)の世界的推進者として知られる。へラルボニーのビジネスモデルに驚き、初展示会の場を提供した。

 展示会ではヘラルボニーアートプライズのグランプリに輝いた浅野春香さんの作品をはじめ、9作家による10点のスカーフを絵画のように展示した。素材にはユナイテッドシルク(愛媛県)の12匁(もんめ)の最高級シルクを採用。このシルクは養蚕から繭を原材料にする工程の一部を障害のある人が手作業で行っており、繊細な柄を立体感のある美しい色彩で表現した。

9作家による10点のスカーフを展示


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