オトコの瞳に宿る思い(宇佐美浩子)

2020/08/25 06:00 更新


つい先ごろ、当初予定されていた今年4月の公開から約1年越しとなる、21年4月30日に新たな日程が告知された話題作『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』。と同時に届いた更なるハッピーニュースがある。

そんな森山氏の話題から開幕する今回の「CINEMATIC JOURNEY」のテーマは、「オトコの瞳に宿る思い」。

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国内外の美術館での展覧会の開催のみならず、18年のフランス文化勲章シュバリエ受勲、また翌19年には「写真界のノーベル賞」と称される、ハッセルブラッド国際写真賞 を受賞するなど、半世紀以上にわたり現役写真家として活躍を続ける森山大道。

ハンディなカメラを携え、機敏な動きに脱帽するばかりの80代にして更なる輝きを増す森山氏。

その道標と、眼差しの先にある東京の風景が溶け合い醸し出す味わいを楽しめるのが、前述のドキュメンタリー作品だ。


さて、6月よりスタートした東京都写真美術館にて開催中の展覧会「森山大道の東京ongoing」(~9月22日)。残すところあと1ヶ月程となり、フィナーレを飾る直前の週末4日間(9月12日、13日、19日、20日)の各日10時30分から、計4回のみではあるが、東京都写真美術館ホールにて特別先行上映が決定した。

来年まで待ちきれない方は是非、このチャンスを逃さずに!


『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい 写真家 森山大道』

2021年4月30日(金)より新宿武蔵野館、渋谷ホワイトシネクイント他全国順次公開予定

Ⓒ『過去はいつも新しく、未来はつねに懐かしい』フィルムパートナーズ



「オトコの瞳に宿る思い」をテーマに巡る8月後半の「CINEMATIC JOURNEY」。

前述の森山大道氏の瞳の先にあった風景が見渡せる、「眺めのいい部屋」があることを思い出した。それが上記画像の「ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ」だ。

隅田川や東京湾など「東京」ならではの海辺の景色をより一層ゆったりと楽しめる窓辺のデイベッド風ソファをはじめ、PCや資料などあれこれ広げても快適に仕事がはかどりそうなサイズ感やスタイルを考慮したというダイニングテーブルも目を引く最新設備のエグゼクティブフロアのアップデート。

また女性一人でアフタヌーンティーを楽しむ姿も好印象な、今年9月の開業25周年を記念し、誕生したラウンジ&バーも、東京の新アドレスリストに加えたい。


ここで再び、「オトコの瞳に宿る思い」をテーマに巡る8月後半のシネマの話題に!

ジョニデことジョニー・デップのファンは男女を問わないと思う。

だからこそ、こんなジョニデの眼差しに親近感を覚える男性も少なくないかも?

と思われるのが本作「グッバイ、リチャード!」


突然の余命告知180日。

日頃は冷静沈着かもしれない(?)ジョニデ演じる、見た目もスタイリッシュな大学教授のリチャード。

そんな彼でさえ、取り乱してしまってもフシギではないだろう。

と同時に、誰しも「新しい生活様式」を好き勝手に描きたくなるに違いない。

激変する発言や態度に驚くのは、身近な人々のみならず教え子たちにまで及んでしまう。

だがその一方で、それぞれの気持ちのどこかに変化の兆しが芽生えていく。


自身の気持ちに正直に生きることの難しさ、そして大切さの板挟みにありがちな日常の中で、いま私たちが選ぶべき道は?

そんな心の葛藤に、暗黙の回答を各々得られるのではないかなと思われる本作。

「昨今のジョニデの私生活からも、本作の好演に相乗効果があったりして!?」

などと失礼ながらの憶測がアレコレと...


『グッバイ、リチャード!』

8⽉21⽇(⾦)よりヒューマントラストシネマ渋⾕ほか全国公開中

Ⓒ2018 RSG Financing and Distribution, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.


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うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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