巨匠はみんな植物が好き♡(宇佐美浩子)

2018/10/16 15:30 更新


グローバルな顔ぶれの観覧者との遭遇率が高い草間彌生美術館も、今月1周年を迎えた。

種苗という家業柄、幼少期より植物に囲まれて成長された作家のルーツを垣間見ることとなる展覧会「未来へのわが展望をみてほしい―植物とわたし」が、2019年2月28日まで開催中だ。

作品の性質上、足を止めること数分、そして「CINEMATIC JOURNEY」的にも興味深く見入ってしまったのがビデオ2作品、「花脅迫(ガーベラ)」と「花脅迫(ひまわり)」だ (☟下記画像左から2点)。


©h.usami

なお従来通り、開館は木~日曜日および国民の祝日、日時指定の予約・定員制(各回90分)、当日券はなし。毎月1日10:00(日本時間)に美術館ウェブのみにて、翌々月分のチケットの販売がスタートとなる。

というわけで「巨匠はみんな植物が好き」をテーマに、草間彌生美術館からスタートした10月の「CINEMATIC JOURNEY」。では早速、そのメインコースとなる『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』へご一緒に!

「レストラン・ル・ムーリス・アラン・デュカス」@パリ

おそらくここ日本でもレストラン業界通であろうとなかろうと、「アラン・デュカスという名をどこかで耳にしたことがある」という方が、増えたのではないかと思う。

その理由として挙げるなら、

・「ベージュ アラン・デュカス 東京」

シャネルとデュカス・パリのコラボとして2004年シャネル銀座ビルディング最上階にオープンしてから14年目を迎えた今年。内装をリフレッシュさせ、9月26日にリニューアルオープンしたばかり。

・「ル・ショコラ・アラン・デュカス」

今春たて続けに開店した日本橋と六本木に続き、9月19日には日本橋高島屋にオープン。本国フランス以外では初出店とあり、話題を呼んでいる。

…などが想定される。

カカオ農園@ブラジル

ミシュラン史上最年少で3ツ星を獲得!今日では18のミシュランスターに輝く、フランス料理界を牽引する巨匠、アラン・デュカス。

現在、世界に20数店のレストランを運営するほか、マニラに恵まれない子供たちのための料理専門学校を創設するなど、多忙極める氏を密着すること2年。こうして完成した本作は、氏の完璧主義者として知られるゆえん、また料理への愛、さらに料理が人々にもたらす愛を目の当たりにするだろう。

そして、今回のテーマである「巨匠はみんな植物が好き」。なぜなら彼は野菜本来のおいしさにこだわり、「野菜が主役」の料理でスターシェフとなり、同時にフレンチのトレンドにも多大なる影響を与えることになった訳で!

想像をはるかに上回る「アラン・デュカス」スペシャルコースを劇場でご賞味のほど。

@ヴェルサイユ“王妃の菜園

『アラン・デュカス 宮廷のレストラン』

10月13日より、シネスイッチ銀座、新宿武蔵野館ほか全国ロードショー

配給:キノフィルムズ/木下グループ

©2017 OUTSIDE FIMS - PATHE PRODUCTION - JOUROR FILMS - SOMECI.

予告編



「巨匠はみんな植物が好き」をテーマに、味わい深い旅をシェアしている「CINEMATIC JOURNEY」。そのフィナーレに花を添えるのは、フレンチグルメ界の2大巨匠による2ショット!


「ピエール・エルメ・パリ」20周年記念パーティにてアラン・デュカスと/©h.usami

別名「パティスリー界のピカソ」ことピエール・エルメが、自身のブランド「ピエール・エルメ・パリ」として初出店したのは1998年、東京赤坂のホテルニューオータニ内。ちなみに彼もまた植物との縁が深く、花や植物を題材に実験的なクリエーションを展開するフラワーアーティスト、東信とのコラボも記憶に新しい。

ちなみに20周年記念もホテルニューオータニが年末に贈るオマージュ「エクストラスーパーイスパハンショートケーキ」(画像下)にもローズが光っている。

©h.usami

締めくくりにチラリとご紹介したいのは、時代を超越して愛されるL.M.モンゴメリ作「赤毛のアン」。その出版110周年を記念して現在、映画化決定版第2部と完結編『赤毛のアン 初恋/卒業』が連続公開中だ。

豊かな自然と植物の香が立ち込めるビジュアルも目を引くワクワクするアニバーサリーを祝す1冊「L.M.モンゴモメリの『赤毛のアン』クックブック」は、映画の製作総指揮者で、食品と栄養分野の学位を持つ、作家の孫娘ケイト・マクドナルドによるものだそう。



うさみ・ひろこ 東京人。音楽、アート、ファッション好きな少女がやがてFMラジオ(J-wave等)番組制作で長年の経験を積む。同時に有名メゾンのイベント、雑誌、書籍、キャセイパシフィック航空web「香港スタイル」での連載等を経て、「Tokyo Perspective」(英中語)他でライフスタイル系編集執筆を中心に活動中



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