【ニューヨーク=杉本佳子通信員】メーカーズシャツ鎌倉が9月19日、ニューヨークに完全予約制のオーダーサロン「カマクラシャツ」をオープンした。場所はグランドセントラル駅に直結したザ・グレイバービル内の1室で、マジソン街店を閉めて以来、約4年ぶりのアメリカ再進出。9月2日に予約受け付けを開始し、10月9日まではすでに予約で埋まっている。7割が口コミで知った新規客という。
メーカーズシャツ鎌倉はマジソン街の直営店を20年末に閉めた後も、シェアオフィスで受注会を催してきた。ニューヨーク以外ではカリフォルニア、シカゴ、ワシントンDC、テキサスでも受注会を行い、年間2000枚のオーダーを受けてきた。客単価は約520ドル。顧客リストは約5万人分にのぼり、大方は欧米人。店を閉めてもこの4年間、売上高は右肩上がりで伸びてきた。
売れ筋は、昨年の夏まではナチュラルロールのボタンダウンが圧倒的に人気があったが、その後顧客がオフィスに戻り始めた模様で、今はスプレッドカラーが売れる。欧米人は綿100%にこだわり、ピンクやパープルのギンガムチェック、白とライトブルーのストライプの人気が高い。オーダーメイドのシャツは160ドルが最もオーダーが多く、後は180ドル、250ドルがある。オーダーしてから客に届くのに3週間を要する。
サロンには既製品のコート、ブレザー、スラックス、ジーンズ、セーター、カーディガン、ネクタイも揃う。それらは試着用の商品のみを置き、気に入った客にはサイトでオーダーしてもらい、日本から発送する仕組みだ。
同社はマジソン街店の閉鎖に伴い、22年2月に現地法人を清算し、今年6月に新たにカマクラシャツ・ニューヨークを現地法人として設立した。アメリカ事業の初年度の売り上げ目標は5億円としている。