京都服飾文化研究財団(KCI)は京都のKCIギャラリーで8月7日まで、「装いを彩る―18世紀貴族女性の服飾小物」を開いている。ドレスだけでなく靴やガーター、扇、バッグなどの服飾小物を見せる。初展示作品5点を含む約20点の収蔵品を通じ、当時の美意識や装いの工夫を紹介する。
見どころの一つが、異国風の男女を刺繍したバッグだ。初公開の作品で、表面と裏面の刺繍表現を見比べられるよう鏡を用いた展示方法を採用した。
前開きのローブの胸元に着用するストマッカー(V字型のパネル状胸衣)は、最も目を引く部分として金糸やビーズ、刺繍などで華やかに装飾された。展示品にはカーネーションの刺繍やスパンコールが付いていた痕跡が残る。

ガーターにはフランス語のあいさつがガラスビーズで刺繍される。また、ドレスの下に着用する取り付け型のポケットも展示する。草花模様が青い絹糸で刺繍され、人目に触れにくい部分にも装飾が施されていることが分かる。

扇には18世紀フランスで流行した雅宴画のフェット・ギャラントを描いた。貴族の社交や恋愛の様子を題材にしたもの。服飾小物が単なる実用品ではなく、当時の文化や価値観を映し出す存在だったことがうかがえる。
会場にはドレス2着も並ぶ。1着は1770年代のローブ・ア・ラ・フランセーズ。背中に大きく入ったプリーツが特徴だ。帽子やストマッカー、靴まで含めた全身コーディネートを当時の絵画を基に再現する。ストマッカーの留め方やアイテムの状態を確認しながら着装を進め、歴史考証にも時間をかけた。
1989年以来展示していなかったアイテムも公開した。小物に焦点を当て、18世紀貴族女性の装いを紹介するのは初めて。刺繍やビーズ装飾など細部に宿る技巧を楽しめる展示だ。
