素材3分レッスン・パイル

2015/03/03 10:31 更新


 15年春夏のメンズウエアのトレンドとして注目されるのが、パイルのジャケットだ。カジュアルなパーカなどでなく、ドレススタイルにタオルのような生地を使うのが今春夏らしい。リラックス感たっぷりの自由なスタイリングの象徴でもある。

 パイルとタオル地は、どこが違うのだろう。パイルとは、英語のpileで、毛羽や輪(ループ、loop)を指す。ベースになる布から、糸がリング(ring)状に突き出す構造になった織・編物のことだ。輪が密集するから、ふわふわになる。その輪の先端を切って毛羽にしたものは「カットパイル」と呼んでいる。

 織物の場合は、添毛織りとも言う。大事な輪(パイル)を作る糸が「パイル糸」で、それをタテに使うと「経てパイル織り」、ヨコに使うと「緯パイル織り」になる。経てパイル織りは、ベルベットなど毛足の長い仲間が多い。逆に、緯パイル織りはパイルが短めで、コーデュロイや別珍などが有名。

 こうした分類の中で、タオル地は、経てパイル織りの一つで、有名な別名が、テリークロス(terry cloth)。これは、糸がフランス語の「引っ張られた」(tire)形で織られていることに由来する。

 今春夏のメンズジャケットのパイルは、織物と同じように輪ができ、伸縮性に優れる編物(中心はジャージー)が多そうだ。

「モンテドーロ」
「モンテドーロ」


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