経産省、繊維産地のサプライチェーン強靭化で検討会 事業承継、付加価値向上策など環境整備へ

2024/10/15 16:00 更新


 経済産業省は有識者会議「繊維産地におけるサプライチェーン強靭化に向けた対応検討会」を新設し、10月17日に第1回会議を開く。事務局は製造産業局生活製品課。国内繊維産地全体として厳しい状況が続く中で、サプライチェーンを強靭(きょうじん)化するための課題を議論し、環境整備につなげる。今後、会議を4~5回開き、年度内をめどに報告書をまとめる予定。会議はオンラインで公開する。

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 昨年11月に再開し、今年6月に中間取りまとめを公表した産業構造審議会製造産業分科会繊維産業小委員会で示した方針に沿って、新設した。委員は学者や繊維関連企業・団体の幹部などで構成する。

 小委員会で示した取り組みの方向性と生活製品課による産地でのヒアリング調査を踏まえ、課題を提起する。産地企業で経営者や従業員が高齢化し、人手不足も深刻化する中で、取引先の廃業を防ぐため、その事業を承継する「サプライチェーン事業承継」や人材確保対策、産地全体の付加価値を高め、競争力を強化するための最終製品の開発やブランディング、産地内や産地間の連携策などについて議論する。会議は繊維産地がある自治体で構成する会議「繊維産地ネットワーク協議会」とも連携する。

 「産地の足下の状況は特に染色加工を中心に厳しく、倒産した際にその前後の工程の取引先に連鎖するリスクもある。こうした事態を防ぎ、産地をより強靭化していくための対策を川上企業から川下企業までが一体となって議論する」という。

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