【ニューヨーク=杉本佳子通信員】16年春夏ニューヨーク・メンズコレクションは、ミリタリーやユーティリティーをベースに、カラフルでポップな要素を入れる傾向が目立つ。ジェンダーレスは、若手デザイナーからマス向けのブランドまで広がった。
ミラノでコレクションを見せてきたジョン・バルベイトスが、第1回ニューヨークファッションウイーク・メンズのトリを務めた。披露したのは、70年代初めに南カリフォルニアに移り住んだジミー・ペイジやキース・リチャーズなどから発想した、ロック調のリラックスしたテーラーリング。ジャケットとベストはほどよくボディーにフィットし、パンツはスリム。柄は、さまざまなストライプが揃う。洗いをかけて着古したニュアンスも入れた。
ティム・コペンズは、ミリタリーのアイテムやユーティリティーのディテールにポップな楽しさを加えた。モノトーンに鮮やかなオレンジを利かせたカラーブロックやパッチワーク、明るいブルーのコートやパンツがある。適度なボリューム感のあるドローストリングのパンツが、リラックスした気分をつくる。
久しぶりにショーで見せたアレキサンダー・プロコフは、小説「ザ・モンゴリアド」に出てくる修道士や兵士からイメージした。ボマージャケットやライダーズジャケット、フライトパンツ、カーゴパンツを全身同色で組み合わせ、コットン、シルク、リネン、紙のように薄いレザーのミックスで軽く仕上げる。珍しく鮮やかなオレンジ、セージグリーン、薄いレモンイエローも見せた。ディテールはパッチワークが多い。
ショールームでのプレゼンテーションで見せたポロは、ヘリテージにポップな蛍光色を加えた。英国調チェックのジャケットの裏襟に、蛍光グリーンやピンクをつける。アーミーグリーンにもオレンジをきかせ、ジージャンの肩にはカラフルなナバホブランケット風の布をたたく。インディゴのラインではボタンダウンをなくし、小さめのワイドカラーで軽さを出した。