ロベルト・カヴァリ氏が死去 セクシーな女性像で愛される

2024/04/15 18:10 更新


 【ミラノ=高橋恵通信員】イタリア人ファッションデザイナーのロベルト・カヴァリ氏が4月12日、伊フィレンツェで亡くなった。83歳だった。

 70年代に「ロベルト・カヴァリ」を設立。大胆なアニマル柄をトレードマークに、ゴールドやスワロフスキーを散りばめた光り輝くドレスや、花やアニマルをミックスした柄をプリントしたジーンズなどワイルドでセクシーな女性像を描き、ブランドの個性を確立。ハリウッドスターや歌手、モデルにも愛され、メイド・イン・イタリーの力を世界に知らしめる役割の一端を担った。

 自叙伝「ジャスト・ミー」では「私をデザイナーと呼ばないでほしい。私の才能は、むしろ、ファブリックやドレス、女性を特別な存在に昇華させるものを見つけることだ。ファッションとは、すぐに身に着けられるように準備の整った“夢”である」と語っている。

 「女性への愛にあふれるイタリア男」としても知られ、2回結婚し、6人の子供がいる。昨年、パートナーである45歳年下のモデル、サンドラ・ニルソン・バーグマンとの間に息子を一人もうけて話題となった。

 14年以降、メゾンの指揮を離れ、現在はファウスト・プリージがクリエイティブ・ディレクションを担当している。同ブランドは、ドバイを拠点とする投資会社ヴィジョン・インベストメンツが所有する。

 一度、フィレンツェの丘の上にある彼の自宅を取材で訪れたことがある。観葉植物にあふれた一角にはサルとオウムが飼われていた。広大な敷地を泥だらけになった犬がうれしそうに走り回り、カヴァリ氏に飛びつく。それを服が汚れるのも構わずなでていた彼を見て、彼の提案する「イケイケ」だったアニマル柄の印象が、急に愛を感じさせる親密なものへと変化したのを覚えている。


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