東急不動産と同社が参画する渋谷駅桜丘口市街地再開発組合は東京・渋谷駅西口前に大型複合施設「渋谷サクラステージ」を11月30日に完工し、順次開業する。来年7月26日に全体開業し、「まちびらき」イベントを行う予定。約100店が入る商業施設、約1万人の就業を見込むオフィスや住宅、サービスアパートメント、子育て支援施設を中心に構成、広場やイベントスペースも充実する。「多様なにぎわいを創出し、次世代クリエイターやアーティストが集う場作りも目指す」(星野浩明東急不動産社長)という。
施工面積は約2.6ヘクタール。東急不動産が19年11月に開業し、東急プラザ渋谷が入る大型複合施設「渋谷フクラス」に近接する。デッキで同施設とJR渋谷駅とをつなぐなど歩行者ネットワークを整備し、「課題だった街の分断を解消し、回遊性を高める」。地下4階~地上39階の「SHIBUYAタワー」と地下4階~地上17階の「セントラルビル」からなる「SHIBUYAサイド」(延べ床面積約18万4700平方メートル)、地下1階~地上30階の「SAKURAタワー」(約6万9100平方メートル)、日本基督教団中渋谷教会(地上1~4階、約820平方メートル)で構成する。
商業施設はSHIBUYAタワーの地下2階~地上5階とSAKURAタワーの地下1階~地上5階に開設する。店舗面積約1万5200平方メートル。東急不動産の所有区画の店舗面積は約7200平方メートルで、約50店となる。「物を売るだけでなく、来店して楽しむことが今後の商業施設に必要」(黒川泰宏行役員都市事業ユニット渋谷開発本部長)とし、全体の約4割を「体験型店舗」にする。「単純に衣服を売るだけの店舗はない」という。施設全体のコンセプトに沿って、SHIBUYAタワー4階に世界各国からインディーゲームクリエイターが集まり、コンテンツ制作や音楽、アートも含む様々なイベントを行うスペース「404ノットファウンド」(約471平方メートル)を開設する。3階には厨房設備も配置したイベントスペースも作る。
オフィステナントも「全体の約8割がITやエンターテインメント関連企業」で、施設内のスタートアップ支援施設での取り組みなどと合わせ、「IT・クリエイティブ・コンテンツの創造と集積を目指す」(星野社長)。12月16~17日にはSHIBUYA109渋谷などと連携したメタバース(インターネット上の仮想空間)イベントも行う。