22~23年秋冬のテキスタイル展示会では、サステイナブル(持続可能な)一色と言っていいほど、各社がサステイナブル関連素材を用意していた。
目立つのはリサイクルポリエステルやオーガニックコットンなどの環境配慮型原料使い。欧米はもちろん、日本でもようやく意識が高まってきたとの声が多く聞かれた。最近ではゼロエミッションに向けた取り組みも求められつつあるが、一方でそうしたサステイナブルへの対応を負担と感じるメーカーも少なくない。
機業場やニッターといった中小企業にとって、二酸化炭素排出量の計算などはハードルが高く、日々の業務で手が回らないのが現状だ。
原料を置き換えるだけならいいが、環境に関する認証を取得するために、工場の管理体制などの見直しが必要になってくるケースも多い。
サプライチェーンの中で、「サステイナブルに対応できなければ商売を打ち切ります」というのはどこか本末転倒な気がするのは自分だけだろうか。みんなで協力し合い、持続可能な物作りを実現していく産業になっていければと思う。
(騎)