《視点》革と毛皮

2024/07/31 06:23 更新


 皮革、革、レザーという言葉は合成皮革、人工皮革を除いて動物由来以外には使えないということがJIS(日本産業規格)で規定された。特に「エコレザー」は環境に配慮した革と規定し、これまで使われていたフェイクレザー、合皮という意味では使えないとしたことが大きい。

 一方、毛皮、ファーについてはJISでは規定していない。家庭用品品質表示法にも規定がない。このため、毛皮、ファーという言葉の使われ方はかなりあいまいになっている。

 特にファーはリアルファーだけでなく、毛皮風素材一般を指す言葉として使われており、素材について「ファー部分=ポリエステル」と表示する商品タグもある。リアルファーを除く毛皮風素材をフェイクファーではなく「エコファー」と呼ぶケースも目立つ。エコレザーをリアルレザーに明確化したJISとは対照的だ。

 レザーとファーがこれだけ異なる使われ方をしていると、一般消費者も両素材に対する認識が明確にはなりにくいだろう。今後は毛皮、ファーについても検討していくことが求められそうだ。

(武)



この記事に関連する記事