「ミレニアム」に続くZ世代のお金の使い方(WGSN)

2018/06/20 06:26 更新


今のティーンエージャーが買いたいものとは? 他の世代と同様に、彼らも消費から遠ざかっているのだろうか? WGSN Insightは、購買力を高めるZ世代(「ミレニアム世代」に続く、90年後半以降に生まれた世代)に関するリポートを発信し、洞察を提供している。

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Piper Jaffrayによる6000人以上のティーンエージャーを対象に実施したZ世代アンケート調査の結果によると、アメリカのZ世代のお金の使い方において優先順位が高いのは、食べ物、ストリートウェア、ビューティー、ゲームである。消費の勢いは増しており、過去6ヶ月で6%増、前年比では2%増を示している。

また、スポーツウェアのサイクルは過去平均を上回り、ストリートウェアのサイクルが加速していることが明らかになった。Facebookのエンゲージメント率は安定し始めているが、ティーンエージャーの多数はFacebookよりもSnapchatとInstagramを好んで利用する。


同調査はTaking Stock With Teensというタイトルで年2回実施され、今回で35回目となる。自由裁量的消費動向やブランド選好など、有益な情報を得ることができる。

アメリカの年間小売売上高のうち8300億ドルがZ世代による購入である。彼らは住宅ローンを支払う必要がなく、日用品もそこまで買わなくても良い。そのため彼らの消費動向は彼らが本当に欲しいものを反映するのだ。

支出カテゴリーのトップは食べ物であるが、スーパーでの食料品買い出しといった日常的なことではない。ほとんどが外食であり、今回は増加傾向を示し、再びピーク時と同じ24%となった。

男性消費者にとってはゲームが重要なカテゴリーであり、過去最高の13%を記録し、メンズファッション消費支出とさほど変わらないスケールになってきた。女性消費者にとってはビューティーが重要なカテゴリーである。増加傾向が続き、平均年間支出額は過去最高の368ドルとなった。特にスキンケアが人気で、前年比18%増を記録した。

興味深い点は、未だに彼らが実店舗で買い物することを好んでいるにもかかわらず、百貨店や伝統的なチャネルは依然としてオンラインの勢いに押されシェアを失っているということだ。これはショッピングモール運営会社にとって懸念事項である。ショッピングモールで友達と遊ぶティーンエージャーによる消費を頼りにしてきたからだ。

ファッション大好き

食べ物に加え、男女ともにティーンエージャーはファッションに夢中である。Piper JaffrayのシニアリサーチアナリストErinn Murphyは以下のように述べる。

主に90年代スタイルとストリートスタイルがブランドサイクルに強い影響を与えています。Adidas、Vans、Supreme、Tommy Hilfigerは、最もポジティブなブランドムーバーです

ストリートウェアは最も増分利益が大きく、Vans(1位のフットウェアブランド)とSupreme(この層の多くの消費者にとって価格が高すぎるがアパレルブランドの7位にランクイン)が特に貢献している。つまり、この世代の間では90年代リバイバルが確実に起きているのだ。ChampionとTommy Hilfigerも盛んな購買行動から恩恵を受けている。

同調査ではAdidasが全ファッションブランドの3位にランクインし、フットウェアのシェアは14%、アパレルのシェアは6%を示した。

しかし、いくつかのブランドはZ世代の支持を失いつつある。

Ralph Laurenは男性消費者の間で常に10位以内に入っていたブランドだが、10位以下にランクを落とした。eBayのマインドシェアも過去最低レベルとなり、昨秋の3%から1.8%へと低下した。

AppleのiPhoneは依然として人気があり、購入する予定と答えた調査対象者は過去最高の84%となった。iPhone 8とiPhone Xが発売された6ヶ月前の82%よりも増えているのだ。

ファッションに話を戻そう。Nikeのマインドシェアは少し減っているかもしれないが、アパレルおよびフットウェアブランドとして上位を維持し、それぞれ23%と42%を記録した。アパレルで1位のNikeに次ぎ、American Eagleが10%を記録し、Adidas(6%)、Forever21(5%)、Urban Outfitters(5%)を上回った。

バッグブランドの1位はMichael Korsで28%を示し、Kate Spade(17%)、Coach(14%)、Gucci(9%)、Louis Vuitton(7%)がランクイン。

Amazonは1番人気のショッピングサイトであり44%と圧倒的な支持を得た。2位のNikeは6%、3位のAmerican Eagleは4%、Urban OutfittersとForever 21はどちらも3%を示した。

その他のカテゴリー

ビューティーの重要性が高まっており、購入先としてSephoraは44%、Ultaは28%、Targetは11%、CVSとWalmartはどちらも3%を示した。Z世代の好きなブランドはNeutrogenaで24%を記録した。

前述の通り、食べ物は優先順位が高いが、日常的な行為というよりも社交目的であることがポイントである。ティーンエージャーが好きなレストランとカフェは、Chick-fil-A (13%)、Starbucks(12%)、Chipotle(7%)など。

多くの時間を費やすその他のアクティビティとして動画視聴が挙げられた。39%がNetflix、30%がYouTubeを毎日視聴すると答えた。20%はケーブルTV、5%はHulu、6%はその他のストリーミングサービスを利用する。

Z世代へのリーチ方法やZ世代に向けたビューティー製品展開など、Z世代についてもっと詳しく知りたい方はWGSN Insightを今すぐチェック

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