「ヨシオクボ」 21~22年秋冬テーマは「幽玄」

2021/03/10 10:59 更新


 「ヨシオクボ」の21~22年秋冬は、日本の美の理念の一つ「幽玄」をテーマにした。神社、仏閣といった建築物、森林のコケや古木を見て感じる「現在の姿の裏側にある、過去と未来を感じる美しさ」をデザインに反映させた。

 ベースはブランドらしいゆったりとしたシルエットに、スポーティーな要素を加えたモダンなウェア。そこに、得意とする複雑なパターンや色彩で幽玄のエッセンスをミックスする。例えば、フロントをねじるようにして流した別布で切り替えたプルオーバー(3万8000円)は日本の伝統的な建築に見られる曲線や傾斜を、潔いカッティングが際立つノーカラーのジャケット(5万2000円)は質素な装飾に見られる静の美しさを映している。

フロントの切り替えは伝統的な建築の曲線をイメージ

 洗い加工したGジャンは、形あるものが朽ちていくような風合いを色で表現した。コレクションの中で効果的に使う朱赤も、神社の鳥居からインスパイアされたものという。

 シーズンをまたいで人気のアイテムは、素材をアップデートした。斜めに走らせた前合わせのダッフルコート(8万5000円)、巻き方しだいでウエストバッグやショルダーバッグになる 「どこでもバッグ」(1万2000円から)が今回も登場している。

朱赤は神社の鳥居から

(ライター・松本寧音)



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