フォルムが変化
有力セレクトショップと百貨店のバイヤーに、16~17年秋冬の注目ブランドとトレンドキーワード、売れると予想するアイテムや強化する商品を聞いた。ブランドは新生「バレンシアガ」が大注目。ランウエーのルック1は、三つの店が今シーズンのベストワンに挙げている。
これによって、これまで主流だったミニマルデザインから、変化のあるフォルム、華やかさ、テイストのマルチミックスなどへ視点が大きく動いている。アイテムでは、さまざまなタイプにトレンドが反映されているコートを、今年もきちんと仕込む声が多い。
■ロンハーマン/根岸由香里さん コートを充実
発注した海外デザイナーブランドベストスリーとその理由
「ステラ・マッカートニー」色合いやコーディネートまでぐっとくるものが多く、中でもステラ流のダウンが響いた。ベロアダウンが印象的。
「メゾン・マルジェラ」ディテールの作り込みが素晴らしい。スタイリングで強い独自性があるが、一つひとつは着やすいものも多い。
「クロエ」テーマに沿ったスカーフや大きなシルエット、モーブがかった色も気分にはまっている。
買い付けのポイント、昨年と変えた点
昨年の暖冬にめげずコートはウールからダウン、ムートン、ファーまできちんと仕込む。小物は引き続き強化。価格帯では一点物の高額から面白い小物まで幅広く。
売れると見込むアイテム
- ロングスリーブカットソー
ニット
ローヒールパンプス
パンプス
ライトアウター
新規で買い付ける期待ブランド
- 「ハリカエ」(日本)
■リステア/柴田麻衣子さん 攻めの姿勢で
発注した海外デザイナーブランドベストスリーとその理由
「バレンシアガ」デムナ・ヴァザリアのアイディアとバレンシアガのアーカイブ、クリエーションが見事にマッチ。バイヤーとしても一消費者としても大満足の内容。
「ヴェットモン」何が出てくるか、何だろうとドキドキしてしまうショーはかなりレア。懐かしさと異質。そういうものに久しぶりに再会し、とりこになっている。
「JWアンダーソン」壁を立てて自分のところに来るまで何が登場するか分からないショーは、新しいショーのトレンドかもしれない。これまでのシルエットやディテールを取り入れつつ、新しい世界、デザインの進化で楽しめた。
注目のトレンドキーワード
- ストリートミックスのクチュール
シーズンレス
買い付けのポイント、昨年と変えた点
アウターのバリエーションを増やす。ファー、フェイクファー、ブルゾン、ウールコート、ダブルフェイス、パテント、長いものから短いものまで。為替が少し落ち着き、ロンドンのブランドも数量を増やした。テイストのバリエーションは増やし、ヴェットモンのような攻めの姿勢、90年代モードなものを増やし、ベーシックは減らした。
新規で買い付ける期待ブランド
- 「アティコ」(伊)
「ウェンデルボーン」(米)
「マルベリー」(英)