プリント、刺繍とレトロムード
16~17年秋冬ニューヨーク・コレクション期間中にプレゼンテーションで見せたブランドでは、明るい色のプリントや刺繍が広がった。レトロ感のあるアイテムが充実する一方、メンズのアイテムをカラフルなコーディネートに加える傾向も目立った。(杉本佳子通信員)
「ケイト・スペード」は、ロックフェラーセンターの65階に30年代にサパークラブとしてオープンしたレインボールームで、レトロで華やかなプレゼンテーション。ジャズの生演奏のなか、テーマに沿って特製したマドラー入りのドリンクをふるまう。回転式のステージに並んだモデルが着るのは、レイヤードルックが多い。
プリントドレスの下に白いシャツを着てボウを結んだり、襟元にリボンを結んだシャツドレスのインナーにタートルネックのセーターを着せたり。ボウやリボン、ファーの襟といったロマンティックなディテールが目立つ。角を丸くカットした大きなテーラーカラーのコートも、ざっくりしたツイードで懐かしさが漂う。レトロな劇場の看板、トランジスタラジオ、扇、白鳥をそのまま使ったクラッチバッグやハンドバックも見せた。
「アリス&オリビア」は、70年代のニューヨークのダウンタウンに着想したカラフルでファンキーなコレクション。当時の地下鉄の駅を再現したインスタレーションで、けだるい表情のモデルがポーズをとる。サイケデリックプリントのロングドレス、カラフルな刺繍のドレスやジーンズ、レパード柄をのせたフェイクファーのロングコートなど、柄があふれる。
ツイードのスーツにも巨大なオウムや木の枝をカラフルな糸で大胆に刺繍した。大柄の派手なジャガードのパンツスーツ、繊細なレースのプリーツスカートもある。靴はロングブーツ、または厚底のパンプスやブーティー。(写真=ランディ・ブルック)