16~17年秋冬東コレⅤ

2016/03/24 08:33 更新


 第2期「トーキョー・ファッション・アワード」に選出された6ブランドの発表が行われた。「ファセッタズム」「リトゥンアフターワーズ」といったブランドが名前を連ねた第1期に比べると、やや知名度が低いブランドが中心。とはいえ、繊細な作りやニュートラルなムードに日本らしさが光った。(五十君花実)


ニットの多彩な表現(コーヘン)

コーヘン

 コーヘン(大江健)は、山形県のニッター、米富繊維が手掛けるファクトリーブランド。インスタレーション形式で、もの作りに対する姿勢やアーカイブを紹介した。意匠糸を使った華やかなニットツイードのジャケットだけでなく、シャツやダウンとニットのドッキングアイテム、Gジャン風のニットジャケット、ネーティブアメリカン調の織り柄を編みで再現したガウンと、とにかく表現が多彩だ。国内だけでなく、海外15社とも取引がある。「古い企業の中で、立ち上げ当初の5年前はなかなか理解されなかった。しかし、職人と一緒に働き、一緒に各地にリサーチに行く中で、卸先が増えるなどの変化があれば社内で共有することで、ブランドとして以前は想像しなかったところにまできた」と大江。


いぶし銀のストリート(ネーム.)

ネーム1.jpg

 ネーム.(清水則之)は、ボリュームたっぷりのフォルムと、そのレイヤードで見せるメンズスタイル。ビッグブルゾンにワイドパンツを合わせたり、ロングコートの上にアウトドアパーカをかぶったりすることで、量感のシルエットを強調する。野良着のぼろを思わせるパッチワーク地や、目の覚めるような差し色の赤がポイント。女性モデルもメンズアイテムをそのまま着こなす。「強い表現とシンプルなものの組み合わせを意識した」と清水。ショーをすることは直前に決めたと言い、ショーピースのような華やかなアイテムはない。それでもいぶし銀の個性が光る。ショーを念頭にコレクションを作るとどうなるかが見たい。(写真=加茂ヒロユキ)

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