《メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京16年春夏》
見応えある新世代ブランド インキュベーションに一定成果
メルセデス・ベンツ・ファッション・ウィーク東京16年春夏(MBFWT)が18日、閉幕した。43のランウエーショーや3インスタレーション、共催イベントなども含め、7日間で延べ約2万3100人が来場した。ここ数年でショーデビューしたブランドを中心に、見応えのあるショーがいくつかあり、クリエーション面で前進を感じるシーズンだった。(五十君花実)
実力派が台頭
ウィークのハイライトは、「サルバム」(藤田哲平)、「ウジョー」(西崎暢)、「ラマルク」(森下慎介)などだった。それぞれ15~16年秋冬、14年春夏、13~14年秋冬にショーデビューした。藤田と西崎はヨウジヤマモトのパタンナーを経て独立、今の気分をしっかりとしたテクニックで形にしていくのがうまい。森下はトレンド要素を散りばめつつ、ブランドらしいクリーンな世界に落とし込んだ。
東京の顔として既に定着している「ファセッタズム」(落合宏理)、「ビューティフルピープル」(熊切秀典)も、従来とは異なるイメージを模索していて、見応えがあった。ファセッタズムは、レディスのみに絞ったコンパクトなショー。ビューティフルピープルは、キュートなプレッピーから脱皮し、大人のエレガンスを目指した。MBFWT開始直前のインタビューで、落合は常に新しいものに挑戦することが「モードの使命」だと話していたが、まさにそうした意思を感じさせた。
(写真=加茂ヒロユキ)